FN109号
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月げっこうじ江寺駅から下しもよしだ吉田駅までの「駅間」を歩く。このまちには私の通っていた高校があり、馴染み深いけれど、「知っているようで知らない」まちだ。風が冷たい10月28日、駅から実家への帰り道とは反対の方向へ。あまり歩いたことがない道を進んでみた。映画のような 月江寺駅で下車すると、いつも駅前で一匹のネコが道ゆく人を観察している。「行ってくるね」とネコにあいさつをして居酒屋の横を通り過ぎた。このあたりは路地がたくさんあり、商店街や居酒屋などの通りが広がる。どこも昭和の面影をのこした風景で、雑多な雰囲気がまちのあたたかみを演出している。まち全体が映画のセットにも見えてきた。そういえば、先日観た60年代を舞台にした映画に出てくるまちなみに似ているなぁなんて考えていた。 古い建物が多く、ひっそりしたまちかと思いきや、車通りが多く、通勤・通学する人のすがたをよく見かける。お店をのぞくといつも人がいて、常連のお客さんが店主と立ち話をする風景があちらこちらで見られた。路地裏をたずねて渡邊唯(地域社会学科3年)=文・写真15ずねて

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