FN110号
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⑤浄泉寺禾生駅③八王子神社⑥諏訪神社小さな祠 赤坂駅から禾生駅に向かって、駅のうらの道から歩いてみる。都留第二中学校や健康科学大学の場所をはじめて知り、都留のことをまだまだ知らないなと気がついた。まっすぐに道を進んできてしまい、住宅街に入ったため、一度マップを確認する。近くには「川かわも茂発電所のサクラ」が名所として示されていた。その場所へ進んでいくと、ごうごうと音をたてて流れる発電所の横を通りすぎた。しかしサクラがあるところに行くには回り道をしないと行けなかったらしく、行き止まりになってしまった。 少し残念に思いながらあたりを見回すと、坂の上の小さな神社が目に入った。鳥居と小さな祠があり鳥居の中央には「子ねのかみの神神社」(①)と書かれている。境内の看板にはもとは別の場所にあったが発電所の建設とともに場所を移し、信仰されていると書かれている。発電所が無人になったことで、昔はにぎやかに行われていたお祭りも無くなってしまったそうだ。それを読むと神社がより小さく見えてくる。静けさの  なかに赤あかさか坂駅から禾かせい生駅は目立つ建物が多くあるわけではない、静かな雰囲気の場所だ。だからこそ、神社に入ってみたくなったり、ふと見えた生きものたちをじっくり観察してみたりしたくなる。髙橋杏佳(地域社会学科2年)=文・写真1818no.110 Mar 202218no.110 Mar 2022④真っ赤なナンテン神社の境内のなかにあった真っ赤なナンテンは、葉も上のほうが赤くなっていた。2週間後にもう一度行ってみると、葉の赤い部分はより増えていて、紅葉が春に始まったかのように見えた。諏訪神社の梅の花朝はまだ厳しく冷え込む2月7日に向かうと、すでに2割ほどが咲いていた。梅は春が来たことを一番に告げてくれる。梅のように小さな光が、心にともった気がした。

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