FN110号
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28no.110 Mar 2022いて、思わず背筋が伸びる。何歳になっても鬼は怖い。幼いときに聞いた鬼の言い伝えが脳裏に浮かび、近ごろの行いを反省した。 展示やパンフレットを読むと、大月市には古くから桃太郎伝説の言い伝えがあったという。現在も「猿さるはし橋」「鳥とりさわ沢」「犬いぬめ目」といった地名があり、鬼の住処とされる岩いわとのさん殿山の「鬼の洞窟」、鬼の血で染まる子ねのかみ神神社の「赤土」、石動の地に「鬼の石杖」が今もなお突き刺さっていることなど、大月市周辺には桃太郎にまつわる名所が点在しているのいだ。「桃太郎伝説」と聞くと岡山県をイメージしてしまっていたため、大月市にもルーツがあるのは驚きだった。暖かくなったら、レンタサイクルで大月桃太郎伝説を巡ってみよう。15時05分 カフェ月のうらがわ 国道20号線から一本入った、甲州街道を走る。昔ながらの八百屋さんや和菓子屋さんが軒を連ねるなか、新しそうなカフェをみつける。自転車ですっかり体が冷え切って、小腹がすいていた私は吸い寄せられるように店内へと足を踏み入れていた。 店内に入るとさまざまな商品が並べられて④カフェでは自家製のジンジャーエールシロップを使った、ジンジャーチキンカレーが食べられる。生姜がたっぷりでクセになる美味しさだ(2022年2月7日)いた。登山に使えそうなものや、レザーの小物など選りすぐりの商品だというのが伝わる。雑貨のブースの奥がカフェスペースとなっていた。私たちのほかに先客が数名いて、それぞれに思いおもいの時間を過ごしているようだ。雰囲気がよく、初めて来たとは思えないほど居心地がよい。ミルクジンジャーとチーズケーキを注文して席に着く。 「カフェ月のうらがわ」は、「革とコーヒーとアウトドアになりたい店」というコンセプトのもと山やまだあさと田亜里さん(38)が2‌0‌20年11月にお店をオープンした。興味を引くようなコンセプトには、人が集まる場所にしたいという思いが込められている。「(革かアウトドアの)どれか一つにしちゃうと来てくれるお客さんが限られてしまう。少しでも間口が広がるかなと思って」と話してくださった。大月市は登山客が多く、お店にはアウトドアの商品も置かれている。そのなかに山田さんが作った革製品が並ぶ。日常にも登山時にも馴染むよう、一つひとつにこだわっているという。そのほかにも、お店に来ていた学生たちが学生団体を設立し、この場所を活動拠点としていることも教えてくれた。まさに人が集③手作りの看板や鳥居が目印の桃太郎神社。なかを見ると掛け軸やお面、紙芝居など桃太郎にまつわる作品が並ぶ(2022年2月7日)no.110 Mar 2022

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