FN110号
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35◀ワークショップでつくられた「ヒンメリ」と呼ばれるフィンランドの伝統的な装飾品調理から接客まで上田さんはひとりでこなしている〒402−0054 山梨県都留市田原3−3−28営業日:不定休(Instagram @tobiraopenにて     事前に営業予定日を告知しています)営業時間:11:00〜17:00シェアカフェtobira写真はすべて2021年1月31日に撮影しました。くれたの」と先ほどのお客さんから受け取った二枚の袋を見せてくれた。紙袋のような見た目をしているがミツロウが塗り込んであり、なんと水洗いができるのだという。上田さんのお知り合い同士がつながったことで作られた製品なのだそうだ。「私はつなげるだけなんです。そこで介入していくと大変だと思うんですけど、それは見守る。本人たちが頑張ってくれるし、楽しそうだから、そういうの見るとよかったなあって思うんです」。上田さんは目を細めてそう話してくれた。最初の一歩 『シェアカフェtobira』という名前にはどのような意味が込められているのだろうか。上田さんに尋ねたところ、さまざまなかたが関わることでお店がつくられていることから「シェアカフェ」とつけたのだという。また、「tobira」には最初の一歩になってほしいとの願いが込められているそうだ。 本誌93号にてカフェの店舗を持つ前の上田さんに取材を行った。そのさいは、「将来カフェをひらいたときも、カフェの名前は『tobira』にするのだという」とあったが、上田さんの言葉をきっかけにさまざまな人がつながって、今の「シェアカフェtobira」があるのだろう。 新しいことをはじめるには勇気がいる。取材に緊張し、なかなか話し出せなかった私にも、上田さんは話のきっかけをつくってくれた。誰しもがためらってしまう最初の一歩を上田さんは軽くとびこえてしまう。お店をあとにして、上田さんと交わした何気ない会話を思い出す。なんだか心がすっと軽くなった。次にあの青い扉を開ける時も、きっと変わらぬ笑顔で出迎えてくれるのだろう。

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