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9写真はすべて2022年10月13日に撮影しました。古作模様以外にも新しいデザインを刺すこともある、と津軽こぎん刺しについてあつく語ってくれたなってしまう。針を布の上でなんども迷子にさせながら集中して刺していく。間違えたら針から糸を抜いて、間違えた場所からやり直す。すこし刺したら真澄さんにみてもらい、アドバイスをうけた。 考えてみれば、こぎん刺しは親から子に受け継がれてきたものだ。真澄さんから教わっている私のすがたは、津軽の住民が、こぎん刺しを継承しているようすに近いのかもしれない。教室には、縦糸を数える声と、談笑があった。 作業がひと段落して、どうしてこぎん刺しが好きなのかを聞いてみる。真澄さんは、そうですね、と考えてから「やりたいことが果てしなくあることかな。刺しながら、次は何を作ろう、ていう、先のワクワクがあるのが好きかな」とおっしゃった。真澄さんは本やSNSから影響を受けて作品をつくっているようだ。私も真澄さんが刺しているものをみていると「次はあれを作りたいな」と、どんどんアイデアがわいてくる。 作品を完成させるためには何時間、何か月も忍耐強く取り組まなければならない。欲をだしてあれもこれも、というわけにはいかない。それでも、体の内からわき出してくる創作意欲が、真澄さんを動かしているのだろう。 真澄さんの持ち物は、ほとんどこぎん刺しで出来ている。「全部同じ素材だから、鞄から物を探すのが難しすぎる」と笑いながら、大きめの鞄からつぎつぎと作品を取りだした。ティッシュケース、財布、ポーチ、筆箱。そのどれにも、こぎん刺しが施されていた。ときには自身で図案を考えているようだが、「モドコ」の組み合わせや、糸や麻布の色によって印象が変わる。同じものは一つもなかった。 学生の息子さんもこぎん刺しが好きなそうで、学校へもっていく水筒ケースにもこぎん刺しが入っていた。「こぎん刺しっていうのをみんな知ってると思っていて」と楽しそうに話してくださる。自分が好きなものを、家族も好いてくれるのは嬉しいことなのだろう。つみかさねる 「やっている内容は同じだけど、やっている過程で昔つくったものと今つくったものを見返すと違うものになっている。これが成長なのか、通過点なのかは分からないけれど、自分の成長のリズムが作品を通じて分かるよね。こぎん刺しじゃなくても長く続けることによって分かることがあるなって。そういうものに出会えてやっている自分が幸せだなって思って」。真澄さんは、今までなにかに熱中するということは少なかったようだ。どち◁ 上下とも「花こ」を組み合わせたもの。配置の仕方でまったく違うものにみえる
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