113号HP用
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※3お経を記した巻物のことno.113 Mar. 2023 12※3お経を記した巻物のこと※3お経を記した巻物のこと本光寺の寿老尊。にっこりと微笑むすがたに心があたたかくなる(2023年1月6日) 展示会が行われている建物では、今回の目的でもある木造の毘沙門天像が祀られていた。先ほどみた石像の毘沙門天像よりもかなり小さい。もし展示会におとずれなかったら、みつけられなかったかもしれない。 木像の毘沙門天像も、石像の毘沙門天像と同じものを両手に持っている。そして、石像のものに負けないくらい立ちかたや表情に迫力があった。同じ人物を表していても、扱う材料や彫りかたによって伝わるものが変化する。材料という点から像を観察するのもおもしろいのではないかと気づく。残り6つの木像をみるのがさらに楽しみになった。まだみぬ景色 1月6日、寿命の福をもつ寿じゅろうそん老尊が祀られた本光寺へ向かう。本光寺は、7つあるお寺のなかで一番遠い。所要時間を確認すると、谷やむらまち村町駅から自転車で30分はかかる。無事にたどり着けるのか不安になりつつ、自転車を漕ぎ始めた。 禾かせい生第一小学校前の交差点を右折して、県道35号線を進んでいく。本学周辺と同じく、閑静な住宅街が並んでいる。しばらくすると、電子部品や鋳いもの物を扱う工場と、朝日川にかかる橋がみえてきた。橋を渡って5分ほど経つと、目印である団地の看板をみつける。そのまま地図に従って進んでいくと、片面が岩に覆われた道が現れた。先ほどの開けた道とは違い、暗くて狭い道がつづく。ふだんあまり目にしない光景をみられたことに嬉しくなった。道を抜けると、本光寺の看板が目に入る。自転車を漕ぎつづけた疲れと、到着できるかどうかという不安が消えていくのを感じた。 本光寺の境内につづく道を登っていると、夕日に照らされたススキが風になびいている。そのまま境内の奥のほうへ向かうと、畳のある小さな蔵のなかに木像の寿老尊が祀られていた。蔵につづく階段の両脇には石像の七福神も並んでいる。 一般的に寿老尊は経きょうかん巻(※3)か、桃や杖を持っている。桃は長寿を意味する果物で、寿老尊を描くためには重要なアイテムだ。本光寺の寿老尊は右手に杖を、左手に桃を持っていた。小さな像だが、木ならではのぬくもりを感じる。やさしく微笑む寿老尊をみて、私も彼のように、明るく朗らかな気持ちで過ごしていきたいと感じた。意外なきっかけ じっさいに七福神巡りをして、都留七福神巡りが始まったきっかけや、木像のことについてさらに詳しく知りたくなった。そこで、都留市四よっかいちば日市場にある保寿院で住職をしている小こみやまじゅほう宮山壽芳さん(63)にお話をうかがった。 現在、都留七福神巡りの開催に携わっているほとんどの住職さんが先代の跡継ぎなのだという。そのため、都留七福神巡りが始まった昭和60年のころを詳しく知る住職さんは少ない。小宮山さんも先代の後を継いだ一人だ。小宮山さんは当時の記憶をたどりながら質問に答えてくださった。それぞれのお寺に祀られている七福神像
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