113号HP用
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no.113 Mar. 2023 14名前のない公園が気づかせてくれたこと正月飾りが火に包まれるようすを見ていると、燃えていく木製のダルマと目が合った(2023年1月14日)2つの神社に挟まれた公園1月14日は午前中に雨が降り、どんよりとした曇り空だった。午後1時ごろに公園に着くと、広場に消防車が止まっていた。何かあったのかと心配になったが、5人ほどで語り合う消防団員のおだやかな表情を見ると、火事ではないらしい。近くには、使用済みの正月飾りが山のように積み上がっていた。その隣にはおよそ8メートルの長さの笹が横たわっている。 これから何が始まるのかと消防団のかたにうかがうと、「どんど焼き」だと答えてくれた。どんど焼きは「左さぎちょう義長」とも呼ばれ、しめ縄や門松を目印に来た年神様を、正月飾りを燃やした煙とともに見送る行事である。どんど焼きのさいに立てる大きな笹は、消防団のかたが午前中に切ってきたという。儀式で使うものを消防団が用意すると知って驚いた。どんど焼きが始まる午後2時ごろは4世帯ほどが集まり、談笑していた。先ほど横たわっていた笹はいつの間にか色とりどりの紙で装飾され、それを消防団全員で立てている。立てられた笹は遠くから見ても迫力があった。小学生くらいの子どもたちが追いかけっこをしている。これまでこの公園に何度も訪れたが、人はほとんどおらずひっそりとしていたので、子どもたちが元気に駆け回るすがたが新鮮だ。儀式が終わり、正月飾りが燃え上がる煙を見送って公園を後にした。 快晴だった1月20日に、もう一度公園に行ってみた。どんど焼きの日のようなにぎやかさはない。遊具のある場所は木に囲まれていて日陰になっている。晴れていても薄暗く、しめやかな雰囲気だ。乾燥した枯れ葉が遊具の周りの地面いっぱいに広がっていて、歩くたびにサクサクと音がした。 公園の近くにある佐藤商店のかたに公園の名前を聞いてみると、名前はないそうだ。買い物にきていた70代くらいの女性にも同じ質問をすると、正式名称はわからないが「大神私は大学に入学してから、目的もなくまちを歩くのが趣味になった。歩きながら偶然たどり着いた公園でひと休みすると、知らない場所であっても心が落ちつく。そういえば、都留では名前が表記されていない公園をたびたび見かける。気になるあの公園はどのような名前で呼ばれているのだろう。

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