113号HP用
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24コーヒーボランティア コーヒーボランティアは、地域のイベントでコーヒーをふるまう活動だ。参加者が心を休め、ほっとした時間を過ごすことを目的としている。都留市には多くのボランティア団体があるが、参加者の大半は女性だそうだ。そこで、男性も参加しやすいボランティアとして昨年から活動がはじまった。いまでは本学の学生も含め、幅広い年代の人が参加している。最近では市外からも依頼がくるなど、その規模は大きくなっている。 淳一さんはコーヒーボランティアの初期のメンバーの一人だ。移住してしばらくしたある日、奥さんに「淳ちゃん、コーヒー好きならこれやってみたら」と勧められたのがきっかけだった。じっさいに参加してみて、自分が好きなコーヒーを淹れて人が喜んでくれることに、大きなやりがいを感じたという。さらに、コーヒーへの熱意あふれるメンバーとも出会えた。「これまでにないようなワクワク感が生まれました」と笑顔で語る淳一さんの目からは、まっすぐな想いが伝わってきた。コーヒーボランティアが都留にきてからの最初の楽しみになった。都留に来るまで 淳一さんは沖縄県浦うらそえ添市の出身で、高校を卒業するまでと、里帰りをした1年の合わせて19年ほどを沖縄県で過ごした。その後、神奈川県川崎市に移り、昨年まで暮らしていた。 川崎市に引っ越してからしばらくしたころ、知人から壁に炭を塗って欲しいという依頼を受け、塗り炭の勉強をはじめた。そこで都留市大おおの野にある炭工場に訪れた。それから3か月間、毎週のように都留市に通った。川崎市と都留市との2拠点生活を経て、昨年の3月から市内の果樹園で働くことになり、本格的に都留市で暮らしだした。 そんな淳一さんは、これまで2か国で生活したことがある。海外での暮らしに興味がある私は、メモを取るのも忘れて淳一さんのお話に聞き入った。とくに、はじめての海外生活だったタイでのお話が印象に残った。今はつき合い上手の淳一さんも、はじめは現地の人とのコミュニケーションがうまくとれなかったという。「日本の常識を当てはめて、タイのかたがたと仕事をしていました」と当時を振り返る。 どうすればいいのかと考え、「相手を受け入れる」という捉えかたの変化が生まれた。それからは人のあたたかさをこれまで以上に感じられるようになり、人生のいい流れをつくることができた。おかげで、2年間過ごしたオーストラリアではすぐに現地の人と仲よくなることができた。また、帰国後にインドネシアの青年と親しくなり、一緒に旅行したというから驚いた。 取材をしながら、淳一さんは気さくで、話24no.113 Mar. 2023 昨年、都留市に移住をした知ちねん念淳じゅんいち一さん(38)はコーヒーボランティアという活動に参加している。お話をうかがうと、都留市での暮らしを楽しんでいるのが伝わってきた。淳一さんは都留市の何に魅かれ、どのような気持ちで暮らしているのだろう。都留に魅かれて

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