113号HP用
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333333倒木の上で見つけたもの【参考文献】『ポプラディア大図鑑 植物』 ポプラ社 2013年このページの写真はすべて2023年1月26日に撮影しました。地衣類とは菌類のうち、藻そうるい類と共生する生物のことだ。菌類は藻類に住みやすい場所と水分を与えるかわりに、藻類が光合成でつくった栄養を利用して生活している。生息域は低地から高山までの空気がきれいな場所で、子のう胞子によって増える。子のう胞子は子器と呼ばれる器官でつくられ、写真では先端の赤い部分を指す。なお、これはコアカミゴケだと思われる。おそらくアカマツの1年目の実生だろう。既に多くの樹木が生育している森林では針葉樹の新芽は、太陽光をうまく浴びられず生長することが難しい。しかし、倒木の上に芽を出せば日照不足は緩和され、倒木自身が養分の供給元となる。さらにその表面に生えたコケから生長に必要な水分を得ることができるという。倒木は森の生態システムにおいて大きな存在だ。①マツの幼木②コケ植物(セン類)③地衣類コケ植物はセン類、タイ類、ツノゴケ類の3つのグループに分けられる。写真はセン類のヤノウエアカゴケという種だと推測している。セン類は最も種類が多いグループで、その特徴は胞子が入っているさく44(先端の丸っこい器官)にふたがついていることだ。ふたは胞子を飛ばすさいにだけ開く仕組みになっている。

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