113号HP用
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編集部に二冊の冊子が届いた。本学の﹃フィールド・ノート﹄を参考に東ひがしかつら桂小学校の三年生が授業で作った﹃こどもフィールド・ノート﹄だ。授業を担当したのは東桂小学校教諭の北きたうら浦貴たかゆき之先生(36)で、本学の国際教育学科で﹁こどものてつがく﹂を研究しながら、小学校で実践をしている。﹁教室の外にでて活動するような。学校だけど、学校っぽくないことをやる﹂とおっしゃる、先生にお話をきいた。﹁こどものてつがく﹂と冊子 「大学では「こどものてつがく」について研究しているけど、それは総合学習や『こどもフィールド・ノート』と切り離せません」と北浦先生は教えてくれた。「こどものてつがく」とは、こどもたちが考えた疑問について、対話を通して自分なりの答えを見つけていくことだ。一見すると、「こどものてつがく」と『こどもフィールド・ノート』はつながらない。しかし、そこには共通点があるらしい。それは「再発見すること」だという。「こどものてつがく」では、対話を通して人の内面を再発見する。毎日、学級で顔を合わせているはずなのに、話をしていると知らないことがどんどん出てくる。「この子はこんな人だったんだ」と児童も教師もあらためて知る。そして、『こどもフィールド・ノート』では、こどもたちが住んでいる東桂を再発見する。「こんな人が住んでいるんだ」「こんな場所があったんだ」と、こどもたちが9年住んでいても知らないことは多い。知っているはずのモノの、新しい何かに気がつくことが「こどものてつがく」と『こどもフィールド・ノート』の面白さだ。︿私﹀が書く こどもたちは楽しく授業に取り組んだようで、取材先の選定もしたそうだ。先生たちが何かを示したわけではないが、「都留の派手な産業ではなく、地道にコツコツ努力している人に出会って欲しい」という想いが叶った取材先になった。記事を読んでいくと、戸と塚づかじょうぞう醸造店てんやパン工房稔みのりなど、私たちも親しんだ取材先が並ぶ。こどもたちは事前に質問を考えて取材し、その人の「すごい」を引き出していた。北浦先生は「いろいろな問題について考える入り口になるものが、東桂にはたくさんあって。世界の最先端の問題を知る学習のきっかけになるのではないかと思っています」と話す。世界の最先端の問題、例えば、水すいそうやま槽山から分かる戦争の歴史や蚕産業の盛衰などだろうか。私たちはたくさんのものを取材している。大げさに意識したことはなかったが、そこには忘れてはいけない問題がある。 「『フィールド・ノート』は︿私﹀が書く文章だから、こどもたちに紹介しやすかったです。こういうことを、こどもたちが書くことに意味があると思っています」。︿私﹀が書くというのは、自分の見たモノや感じたことを大切に書くことだ。大きな問題を、大きな目線で語らない。等身大の自分が見つけた疑問に目線を合わせて文章を書く。私たちが大切人生にふれる授業児童による手書きの表紙がかわいらしい(2023年2月3日)36no.113 Mar. 2023 ー20周年企画②ー

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