114号HP用
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no.114 Jul. 2023 1010柄杓流川太郎次郎の滝神鈴の滝白糸の滝と下見の滝大きな岩盤十日市場付近の湧水桂川子どもたちが遊ぶ「三つ峠さくら公園」湧水が多く見られるエリア川に降りられる場所を探していたところ渓谷渓谷渓谷天の滝三ツ峠グリーンセンター登山客に話かけたところ三つ峠駅吊り橋ヘビをみつけた都留文科大学バイカモ天の滝岩から生える木どの動物の侵入を防ぐために、柵が設置されているようだ。アーム式の錠を上げて入れた。なかに入ってのぞきこむと、15メートルほど下を柄杓流川が流れていた。ひんやりとした空気に覆われる。あまり人が通っていないからか、地面が滑りやすく、気をつけながら下り道を進んだ。岩場では木の幹にしっかりとつかまって降りていく。根元を見ると、根が岩の隙間に力強くはっていた。幹に体重をかけてみてもびくともしない。川まで降りてくると、少し湾曲した吊り橋があった。吊り橋の上を歩いてみると少し揺れる。ゆらゆらと揺れる感覚と、川の下がよく見えるのが吊り橋の好きなところだ。川の前に行き、両手で川の水をすくってみる。手を入れた瞬間、あまりの水の冷たさに毛細血管が縮こまった。木漏れ日で輝く柄杓流川の水面に、心が癒される。目的の「天の滝」は2回目の観察のさいに行けたが、このときは道がわからなかった。来た道を登っている途中に、ふと見上げると、せりだした大きな岩が現れた。身体を反らせると、ようやく岩のてっぺんを見ることができた。いまにも倒れてきそうな勢いだ。ところどころ風化して、ひび割れや小さな穴ができていた。その隙間に植物が生えているところもある。岩の上には、ぎりぎりまで木々がせりだしていた。落ちないように近くの木に支えてもらっているようだ。誰かに見られるためでもなく、ただひっそりとたたずむ木々や大きな岩に心惹かれた。導かれるようにして、ここまで来たような気持ちがする。地図には載っていない秘密の場所を見つけることができて嬉しくなった。川を歩いて見つけたもの富士山が噴火したときに流れた溶岩を浸食して流れる柄杓流川には、夏狩から十日市場にかけて多くの湧水が流れ込んでいる。都留市では知る人も多い「太郎次郎の滝」もそのひとつだ。そんな湧水を見てみようと、長靴で柄杓流川を歩いてみることにした。さっそく、長靴を片手に柄杓流川に降りられそうな場所はないかと柄杓流橋のあたりをさまよう。すると、私と同じように付近を散策している男性とすれ違った。2度目にその男性とすれ違ったときに、「川に降りられそうでしたか」と声をかけてみた。柄杓流川の地図

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