114号HP用
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2929左上:17時頃撮った写真。大きな窓のおかげで夕方まで日光が店内に入る(2023年5月28日)右上:菅野川に架かる落合水路橋。レンガが雨に濡れると渋い色合いになる(2023年6月24日)右下:お祝いやプレゼントで貰った生花をドライフラワーにして飾っている(2023年6月8日)左下:見つけたらラッキーな小鳥さん。店内2か所に飾られている(2023年6月24日)カフェという場所Cafe織おりみず水は、もともと水車小屋だった建物を昌彦さんが改築して2019年にオープンした。こだわりは店内の構造だけでなく、立地だそうだ。「水辺のカフェって憧れない」と昌彦さんは楽しそうにおっしゃった。地図を見ると、朝あさひがわ日川と菅すげのがわ野川、そして桂かつらがわ川に合流する細い川に囲まれていることが分かる。また、都留は昔から織物が盛んなまちであることを教えてくださった。織物を織る糸のように川の水が交わる場所だから、カフェの名前を「織水」にしたらしい。都留の伝統と自然を感じられるこの場所で何かをやりたいと、20年近く考えていたそう。なぜカフェにしたのか気になって聞いてみると、「カフェは人が集える場所だし、打ち解け合える場所だと思う。それに、わざわざ来てもらえる場所だね」と答えてくださった。それから、カフェは「非現実的なところがある」という。その言葉をじっくり考えてみた。カフェにはたくさんのお客さんが来る。ランチをする人、友人と待ち合わせをする人、ひとりでゆっくり過ごす人、カフェに来る目的はさまざまだ。カフェはそれらの目的をすべてかなえることができる。日常にそのような空間があっただろうか。昌彦さんの言葉の意味が分かった気がした。「やってみたい」をやってみるカフェをオープンしたとき、お客さんが来てくれるのかどうか、長く続けていけるのか、イメージできなかったそう。「お店はイメージ通りに作ったけどね」昌彦さんは苦笑いを浮かべた。店内を見渡すと、木材を基調とした空間で、一組のお客さんがアイスを食べながらおしゃべりをしている。私が座っているカウンター席のあたりには、ドライフラワーが飾られてひかえめな彩りを与えていた。ここは小さな森のようだ。「私はこの空間、すごく素敵だと思います」と伝えると、昌彦さんはうれしそうに微笑んだ。「やりたいようにやっていって、それをお客さんがどう楽しんでくれるか自分でも楽しみ」。昌彦さんは、不安よりも実現したいという思いを強く持っているのだろう。不安さえも楽しもうとする姿勢は簡単にまねをすることはできないが、私も心がけてみよう。
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