FN115号
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10no.115 Dec. 2023 「チャレンジ」できる場所矢野さんは、東京で建築士として働いていたが、ゆっくり過ごせる自分の家を求めて都留へたどり着いたそう。都留へ来てからは「それぞれの心地よさを大切にする」をテーマとしたコミュニティを作ったりワークショップを開催したりしたという。きっかけは、都留を離れようとする友人の「このまちは何も無い」という言葉だった。矢野さんは「無いなら創ればいい」と強く思ったそうだ。「都留は個人が思いつく小さなチャレンジを実現してくれる。チャレンジしやすいまちだと思う」。心の奥底にある「こうしたい」という気持ちを閉じ込めたままにせず表現していこうよ、と矢野さんは語りかけている。ココニールで活動するかたや、都留で独自の活動を行っているかたからは「あずちゃんが背中を押してくれたんだ」という声をよく聞く。矢野さんが素直な気持ちのままで寄り添ってくれるから、ココニールでは自分のチャレンジに向けて一歩先へ進むことができる。矢野さんは、誰かの「こうしたい」という気持ちに寄り添ってくれる伴走者だ。るという。表情や動きからも相手の気持ちは伝わってくるのだ。お二人はコーヒーを提供し終わっても、すぐに帰らずボランティアの活動について話し合っていた。団体の一員でありながら、自由に過ごしているすがたはココニールの空間に溶けこんでいるように見える。「また来たいね」と三枝さんが言う。会話を楽しもうとするココニールはどのような活動をしていても、その人をあたたかく受け入れてくれる場所だ。***ココニールからの帰り道、金木犀の香りに包まれながら、私にとってココニールはどんな場所なのだろうと考えた。都留で暮らすかたが集まって、訪れるたびに新しい出会いがある。会話に交ざると、熱量を分けてもらえる。ココニールで言葉を交わすことで、相手の想いに近づけた気がした。「仲間」になれる場所、という言葉が頭に浮かんでしっくりきた。想いを理解したり、応援したりして一緒に頑張れるような人がココニールには集まっている。「ココニールの仲間たちとまた語り合いたいな。次はどんな話をしようか」誰かと話す楽しさをココニールは教えてくれた。矢野さん。どんな話でも真剣に聞いてくれる(2023年12月6日)石井さん(左側)と三枝さん(右側)。ボランティアとしてコーヒーを飲んでリラックスしたり会話が生まれたりすることを目的に活動している(2023年10月18日)
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