FN115号
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1414no.115 Dec. 2023 おもちゃ病院とは、壊れてしまったおもちゃを修理する団体のことだ。都留市のまちづくり交流センターを拠点とする「おもちゃ病院ムササビ」では、不具合のあるおもちゃを元気にするため、会長の小おぐら倉潔きよしさん(76)をはじめとする現在10名のお医者さんが活躍しているという。都留のおもちゃ病院全国にあるおもちゃ病院のうち、「おもちゃ病院ムササビ」は都留市社会福祉協議会の企画で2019年に始まった。都留市で行われるおもちゃ協会の講習を受け、おもちゃ協会の会員になると、おもちゃ病院の活動に参加することができる。「おもちゃ病院ムササビ」はボランティア団体だ。電池など消耗品の購入は、市の赤い羽根募金の一部が充てられているという。修理に使う道具や工具は使い慣れたものを持参している。工具箱を見せてもらうと、ドライバーやネジのほかに、電圧計やハンダゴテなど、あまり家庭で見かけることのない道具もあった。数本の乾電池とドライバーしか入っていない、私の実家の工具箱とは違って、機械に詳しい人しか持っていないような道具が入った工具箱は、きらきらと輝いて見えた。おもちゃの手術おもちゃが持ち込まれると、和気あいあいとしていた会場が手術モードに切り替わり、しんとなる。高たかべ部和かずお男さん(69)が、電源を入れても走らなくなってしまった電車のおもちゃを修理していた。おもちゃに入っていた電池に、十分な電力が残っていることを確認してから、今度はモーターの確認作業に移る。動くおもちゃは一般的に、モーターを動力としているからだ。しかし、モーターなど動きの中核となる部品が入った箇所が開けられない。ほかのおもちゃの中に同じ作りの部品があり、比較してみる。すると、本来開け閉めができるはずの箇所が接着剤で閉じられていることが分かった。自分のおもちゃが修理されているのを夢中で見る子どもたち(2023年9月16日)毎月第3土曜日に、受付の旗を目印にお客さんが集まってくる(2023年9月16日)でやるじゃできないを、
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