FN115号
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2929第2回日時:2023年11月19日3キロのスタートを待つ多くのランナーたち。中央には仮装しているランナーのすがたも見える(2023年11月19日)※来年はコースが変更されるさで身体が震える。さっそく、私も準備体操とジョギングをして身体を温める。スタートの15分くらい前から参加者がスタート地点に並びだす。3キロのコースは親子で走ることもできる。そのため、子どもから60代くらいの人まで幅広い年代の人が参加していた。となりにいた中学生に声をかけてみると、東京から来たという。市外からの参加者も多いらしい。また、周囲からは、はじめて会った人どうしが会話をしているのが聞こえてきた。誰かと競争するのではなく、参加者がみんなで走ることを楽しもうとしているようだ。合図とともに、ランナーが一斉に走り出す。下見に来たときは、広いと思っていた道も今日はぎゅうぎゅうだ。稲刈りが終わり茶色になった田んぼを抜けて、民家が並ぶエリアを走る。沿道のかたの「がんばれ。ファイト」という声が聞こえる。普段は見られない地域のかたの顔を見ることができたのが印象に残った。起伏の激しいところが多く、走るのが苦しい登り坂では、とくにその応援の声が私の背中を押してくれた。*  *  *久しぶりに全力で走ったので、ふくらはぎがぱんぱんに張って、ゴール地点で倒れこんでしまった。小学生の男の子が「大丈夫ですか」と声をかけてくれた。やさしい心遣いが身にしみる。3キロを走り終わり、飲み物と温かい豚汁をいただく。しばらく身体を休めたあと、更衣室で着替えをしていると仮装ランナーとして走っていた男性が入ってきた。「おつかれさまです」と声をかけると、衣装のチャックをあけながら返事をしてくれた。まるでサウナから出てきたかのように汗だくで、「暑い、暑いなあ」と言いながらタオルで汗を拭いていた。都留市に住んでいるという男性は、昨年もランフェスに参加されたそう。「僕も都留に住んでいまして」と話すと、疲れているにもかかわらずやさしく話をしてくれた。男性はぐったりとしたようすだったが、「やあ、都留っていいとこところだね」としみじみと、そして力強く語っていた。足元には水路が通り、豊かな自然に囲まれたまちからはそこで暮らす人々の息づかいが聞こえる。そんな日常の光景を楽しめるのが、都留を走ることの魅力だ。ランフェスでは、声をかけてくれる人や沿道で応援してくれる人がいて、人の温かさが身にしみた。「いいところ」という言葉には、都留を走る楽しさがあらわれているようだった。自然や素敵な人に出会えるのが都留を走る楽しさだ。湧水の里ランフェス場所:道の駅つる種目:10キロのコース3キロのコース親子ファミリーの部(3キロ)見込み定員:1500名

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