FN115号
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35数えきれないほど多くのキノコが、倒木に密集するように生えている。ヒメカバイロタケだと思われる(2023年10月3日)都留には多くのキノコが生えている。身近でキノコ探しをしてみたいと思い、「きのこの教科書」という本を手に取った。どうやらキノコには生態系を支える役割があるらしい。じっさいにキノコの役割を観察するためにうら山へ向かうことにした。生態系をえ支る小さな分解者7月下旬、青空の広がる晴天のもと、キノコを探そうとうら山へ向かった。山のなかは、森が日ざしを遮ってくれているため、夏なのに涼しくて心地がいい。観察を始めてすぐに、オレンジ色をした小さなキノコが、倒木の表面に沿うようにして生えているのを見つけた。その小ささと数の多さに見入ってしまう。すると、同行していた本誌の発行人である北垣先生が、近くに生えている色あせた木を指して、「キノコは朽ちた木を分解する役割を担っているんだよ」とおっしゃった。木の根元に近い部分を見てみると、木の皮のわずかな隙間から、コフキサルノコシカケだと思われるキノコが、木に密着して生えていることに気づいた。平たく、クリーム色と赤茶色のような色をしている。脳裏に「キノコは生態系をコントロールする」という本で読んだ言葉が浮かんだ。キノコは枯れ木に入り込み、キノコの細胞である菌きんし糸を巡らせ、木を分解し、エネルギーとして吸収する。そして、そのエネルギーをもとにキノコ自身が生長するという。その過程が今、自分の目の前で起きている。本来の役割を間近で見ると、ふだん「きれいな色をしている」という感想をもつだけだったことや、キノコ本来の働きが分かっていなかったことに気づく。森の循環を助ける役割を担ってくれているキノコたちに感謝を伝えたい。キノコの生態についてより詳しく知りたくなった。場所を選んで生きる雨が降った翌日、うら山へ向かう。湿気を肌で感じながら歩いていると、足下の落ち葉の隙間から小さな白いキノコがたくさん生えていることに気づいた。まだまだ生長しそうなキノコだ。写真に収めようにも小さすぎてピントが合わない。倒木の陰では、クリのイガの部分からキノコが生えているのを見つけた。このようなところからも生えてしまうのかと興味が増す。奥に進むと、日当たりのよい急な斜面で、キホウキタケだと思われるキノコを発見した。黄色で珊瑚のような見た目をしているため、落ち葉の上だとよく目立つ。はじめて図鑑以外で見ることができた。北垣先生がおっ
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