FN115号
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8no.115 Dec. 2023 明るく弾んだ声で迎え入れてくれた。ココニールはどんなことをする場所なのか質問すると、「都留のお店とか、ボランティアとか、自分の活動を自由にやりたい人が来ているの。それから、気軽におしゃべりしたい人とか誰かとランチしたい人も来るよ」と説明してくださった。部屋を見渡すと、コーヒーセットを並べている人や、野菜を売っている人、ソファに座ってパソコンと向き合っている人など、ここにいる人たちはそれぞれ違うことをしている。「ココニールは、自分のやりたいことを具現化するために生まれた空間なんだ」と矢野さんはおっしゃる。ランチコミュニティと聞いて、まちのかたが会話を楽しむだけの場所だと思っていたから、目的がはっきりしていることに驚いた。ココニールは「ここにいる」という言葉が由来となっている。地域の誰もが主人公となり、自分のやりたいことと向き合ったり出会いのなかで気づきを発見したりできる場所を目指しているという。じっさいに、都留で活躍するプレイヤーたちはココニールでどのようなことをしているのだろう。「どうしたいか」を話せる場所机に並んでいる数種類のおかずと2つおにぎりの入ったお弁当がおいしそうだ。からだが自然とそちらに向かう。「こんにちは」と優しい笑顔を向けてくれたのは、「~FふU・RれE・RるU~」の寺てらおか岡比ひろこ呂子さん(49)だ。私はおにぎり弁当とカボチャの梅煮を買った。いつからココニールでお弁当を売っているのか気になって尋ねると「最初からだよね」と矢野さんに確認するようにおっしゃった。寺岡さんはココニールが始まった今年の1月からお弁当を売っている。「いつもここでお弁当を売っているよっていう場所がほしかったの」。「~FU・RE・RU~」は店舗を持たず、寺岡さんが自ら配達してお弁当を届けていたという。しかし、お弁当を作ることと届けることを両立するのは難しく、定期的にお弁当を販売する方法を考えていたそうだ。また、寺岡さんと矢野さんは働きかたについて同じような考えをもっており、自分の仕事をいかに楽しく無理なく続けるかについてよく話し合っていた。「好きなことを仕事にしても、生活のためにという気持ちが出て地域の誰もがプレイヤーココニールは、都留市消防署の向かいにある2階建ての建物で開催される。本当にここだよね、と少し不安になりながらそっと階段を上がっていくと話し声が聞こえてきた。「こんにちは」。緊張のせいで私の挨拶はとても小さい。「大学生かな、こんにちは」と返事をしてくれたのは、ココニールの活動を中心となって行っている矢やの野あずみさん(44)だ。みんなが集まるまちを散歩していると、「ココニール」という見慣れない単語が目にとまった。道路に面して立てかけられているホワイトボードを見ると、どうやら誰でも参加できるランチコミュニティらしい。食事をしながら交流を深める場所なのだろうか。気になって、訪れてみることにした。渡邊結佳(国文学科2年)=文・写真
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