116号マスターHP用
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11本堂でポーズを決める鬼のみなさん(2024年2月3日)桂林寺の節分会の歴史 1月中旬、桂林寺を訪れた。副住職の織おだ田宗そう泰たいさん(43)に節分会についてお話を聞く。桂林寺は、郡内地方を治めていた小おやまだ山田氏の菩ぼだいじ提寺として、1393年に建立された。歴史のあるお寺だが、節分会は毎年行われていたわけではない。復活したのは最近のことだという。節分会とは、立春の前日に行われる、災厄をはらって世界の平和や家内安全を祈ることを目的とした行事だ。2016年、本堂を建て替えたさいに見つかった年中行事表に、かつて節分会を行っていたことが記されていたそう。宗泰さんはそれをきっかけに、2017年に節分会を復活させた。宗泰さんが修行僧をしていたお寺で行っていた、鬼の格好でまちを歩くというアイデアも交えた。毎年鬼の役は知り合いの和おしょう尚さんにお願いし、ご自身は祈祷を行うそうだ。節分会で訪れる場所は宗泰さんにご縁のある場所だ。なかでも幼稚園は、宗泰さんのお子さんが通っていた、関わりがある場所だという。節分当日に、私も宗泰さんに同行することになった。まちの人たちの反応を直接見られるのが楽しみだ。節分会のありかた2月2日、この日は桂林寺の近くにある宝たから保育所への訪問に同行する。都留市駅前で、宗泰さんの奥さんである果かんな奈さん(44)が車で迎えてくれた。果奈さんはNPO法人「にこ研」に所属している。「にこ研」は、主に未就園児とその親を対象とした子育て支援を行う団体だ。「にこ研」のメンバーとのあいだで、鬼が子どもたちを怖がらせるのは良いことなのだろうかと話したことがあるという。果奈さんは宗泰さんに、最初から優しい雰囲気で子どもたちの前に登場することを提案した。しかし宗泰さんは、それでは怖い鬼の存在を通して自分の邪念を取り払うという目的が果たせないのではと心配したそうだ。時代に沿った子育てと伝統が共存するためにはどうすればよいか、工夫しているのだ。保育所の駐車場に、宗泰さんと他のお寺の和尚さんがやって来た。今日は宗泰さんも赤鬼の格好をしている。宗泰さんたちが保育所の節せつ分ぶん会え節分が近くなり、都留ではどのように節分が迎えられているのか、ふと気になった。都留市金かない井にある桂林寺では、節分会という行事を催しているそうだ。どのような行事なのか、桂林寺に行ってみることにした。桂けい林りん寺じ横山幸乃(国文学科1年)=文・写真桂林寺の節分会の歴史 ぶん節分会のありかた
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