116号マスターHP用
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41歌ができるまでこの歌について話をしてくださったのは、本学管弦楽団の常任指揮者である吉よしだ田悟さとる先生(71)だ。『今、生きてます』はもともと、1994年に都留市制40周年を記念してつくられたものだ。市民の皆さんから歌詞を募集し、最優秀賞に輝いた前まえだ田誠せいいちろう一郎さんの作詞に、作詞家阿あく久悠ゆうさんが補作として加わり歌詞が完成した。そこに作曲家小こばやし林亜あせい星さんが曲をつけ、都留市民愛唱歌『今、生きてます』が誕生したという。そして、私たちが使用するオーケストラの楽譜ができたのは、本学のうらてにあるう4ぐいす444ホールで開催した都留市民第九演奏会がきっかけだった。当時、都留市には10団体ほどの合唱団があり、都留文科大学管弦楽団とともにベートーヴェン作曲の『交響曲第九番※』を演奏することになった。もともと、歌のみだった『今、生きてます』だが、せっかくなら管弦楽団も一緒に演奏しようと、オーケストラの楽譜も作られたそうだ。それから、毎年欠かさず第九演奏会では『今、生きてます』を演奏するようになった。しかし2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症により演奏会が中止となった。2022年は演奏会自体は開いたものの、時間短縮のために、愛唱歌を演奏しなかったそうだ。そして、2023年は4年ぶりに『今、生きてます』を演奏することになったのだ。4年ぶりに響く歌2023年12月17日、都留市民第九演奏会が開催された。オーケストラの音色がうぐいすホールに響き渡る。演奏しながら、コロナウイルス感染症によって音楽を披露する機会が奪われ続けていた、この数年間を思い出した。演奏会やコンクールが次つぎと白紙になっていくあの時間はとても長かった。それは、小中高と吹奏楽をしていた私が演奏を聞いてもらえることを当たり前だと感じていたからだろう。たくさんの演者とお客さんで作り上げる演奏会という場所が、私は大好きだ。たくさんの人と音楽を共有できる嬉しさがわきあがってきた。この演奏会の最後を飾るのが都留市民愛唱歌『今、生きてます』だ。ゆったりとした私は本誌の編集部員として活動するかたわら、管弦楽団に所属している。演奏会で披露した都留市民愛唱歌『今、生きてます』の歌詞に惹かれ、詳しくお話を聞いてみることにした。久永奈央(地域社会学科1年)=文・写真歌てね重とくい♩♪♩♫♪♫※第4楽章は独唱および合唱を伴って演奏される。その主題は「歓喜の歌」としても親しまれている。
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