117号HP用
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25のわけ「花屋っぽくない」都留市駅の裏道を進むと、「花&雑貨 リエール」と書かれた白い看板が置かれている。そこから数分歩いて右手にある、緑の木々に囲まれた建物がリエールだ。いままで訪れた花屋にはないような、不思議な空気をまとうドアの向こうをのぞき込んだ。原口桜子(学校教育学科3年)=文・写真リエールに訪れると店の前を通りすぎてしまうほど、木造の建物と周りの木々がなじんでいる。駐車場に置いてある黒板に書かれた店名を確認し、営業が開始する12時ぴったりにドアを開く。店に入ると、淡い紫色や落ち着いた黄色の花が迎えてくれた。その花の隣にある小棚と右手の棚には、ドライフラワーをあしらったキャンドルやリースなどの雑貨が並んでいる。「ゆっくり見ていってくださいね」と店主の三みさわ澤賢まさこ子さん(57)が声をかけてくれた。ありがとうございます、と気になっていたキャンドルを手にとり、じっくり見る。淡い色や手作りの雑貨を見るのが大好きなので、思わず「わあ」と小さく息をついて見とれてしまう。このキャンドルをベットのそばに飾ろう。何度も棚を往復して決めた。あらためて店のなかを見渡すと、花屋というより、森にたたずむ秘密の小屋のようだ。カーネーションやバラといった花屋でよく見る鮮やかな花は置かれていないし、値札もついていない。古道具や本が置かれた棚の前にはテーブルとイス、店の左奥にあるキッチン看板犬のちょび店長▷

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