117号HP用
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27花とお茶に通じるもの+プラスカフェcaféは、およ三ヶ月に1回、リエールと繋がりのあるカフェにきてもらい、お客さんに美味しいものを食べてもらうイベントだ。café織おりみず水さん、café Nナチュラルaturalrリズムhythmさん、マルハチレトロさん、cクレマremaさんの4軒がくる。お店のかたは昔から三澤さんと気心知れている人だ。+caféを始めるきっかけは、以前、花屋の営業が終わってからアレンジメント教室を開いていたころにさかのぼる。教室が終わった後にほっとしてもらいたいという気持ちで、お茶をいれていた。そこでお茶を飲みながらぽっと出た話や、お茶を飲んだからこそ話せる話があると気づいた。「これは、お花とお茶に共通しているものだと思います」。たしかに、どんなに疲れていてもお茶を一口飲むとゆったりと気持ちが落ち着く。同じように、部屋に花が一輪さしてあるだけで心が和む。花もお茶も、緊張した心をじんわりとほぐしてくれる力を持っている。店内のキッチンも、花のなかでおいしいものを、という気持ちで設置したものだ。また、5月にマルハチレトロさんが古道具の委託販売を始めた。このスペースも、もとは店の外だった場所だ。理想の「リエール」でありたいという強い気持ちが伝わる。これからも三澤さんのやりたいことと時代に合わせて店のすがたが変化していくのだろうか。***リエールには、花だけでなくお菓子や雑貨、三澤さんとのおしゃべりを求めてやってくる人もいる。リエールは、花と人だけでなく、人と人をつなぐ空間でもある。三澤さんは「やりたいことがたくさんあった」と言っていた。それは、人と人がつながる空間には、花屋にはないものが必要だったからではないだろうか。花を求めてやってきた人が、この空間を通じてものや人と出会う。お菓子を作っている店に行ってみたい。出会った人とお茶を片手に話したい。花を中心に、人の心が動いていく。リエールには、なにかに心を動かされる心地よさがある。三澤さんの想いは、私がはじめてここに訪れたときに感じた、「花屋っぽくない」空気に詰まっていたのだ。◁三澤さんは「リエールでは、お花畑でお花をつむ感覚で花に触れてほしい」と話す(2024年4月12日)◁リエールのドライフラワーを使って、富ふじ士吉よしだ田のかたが作ったキャンドル。手作りのあたたかみが詰まっている(2024年4月14日)▽料理を待つあいだも会話がはずむ。三澤さんが撮影してくださった(2024年6月30日)◁今回の+cafeでいただいた、cafe織水さんのお料理(2024年6月30日)
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