117号HP用
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36no.117 Jul. 2024ハーブとの出会い工房の窓から「まーさんちの庭OおっこKKO」と彫られた木製の看板が見える。横を見ると緑いっぱいの畑が広がっていて、ここちよい風がすーっと通り抜けた。ここでハーブを育てているのだろうか。どんなハーブに出会えるのかわくわくする。真由美さんに挨拶をすると、さっそく、ハーブを育て始めた当時のことを語ってくださった。都留市はご主人の安やすまさ正さん(55)が生まれ育ったまちだそうだ。甲こうふ府市で仕事をしていたが、都留に帰って仕事がしたいと思い、真由美さんとともに都留への移住を決める。移住した土地は安正さんのお母さんのもので、広い畑までついてきた。「はじめは雑草だらけで」と畑を見ながらおっしゃった。ていねいに畑の手入れがされているため、雑草だらけだった当時のようすが想像つかない。「ハーブって(どんな環境にも)強いイメージがあって、そんなに手入れしなくてもいいんじゃないかなって思って」。育てやすいイメージが、ハーブを育てるきっかけになったのだ。その後、ハーブを使った教室を開いているかたのもとに通うようになると、ハーブの知識が増えていった。得た知識を生かして、自分が育てたいハーブを育て始めたという。甘い香りに惹かれて真由美さんがトゥルシーにはじめて出会ったのは、ハーブを使ったお菓子作りを始めたときだ。甘い香りがするこのハーブに、だんだん惹かれていったという。私のなかでハーブはさわやかな香りというイメージだ。人が魅了されるほど甘い香りなのかと、トゥルシーの香りを味わってみたくなった。真由美さんは、トゥルシーを使ったお菓子作りを進めていくうちに、すばらしい効能をいくつも持っているハーブだと気づいたそうだ。トゥルシーの効能や活用方法、栽培方法などをまとめたB5サイズの紙を見せてくださった。両面にびっしりと文字が書かれた紙を見ると、私があらかじめ調べていて気づかなかった効能がたくさん載っている。「トゥルシーって都つるし留市に(響きが)似てない?」。そういえば、私がはじめてトゥルシーの名前を知ったとき、あまり馴染みのない名前なのにすぐに覚えられたことを思い出す。都留で工房の看板を持つ真由美さんとハーブ畑。畑に近づくと、ハーブの香りがふわっと包み込んでくれる(2024年5月6日)万能のハーブと呼ばれるトゥルシー。ストレス解消や老化の防止を手助けする効果がある。都留市下しもや谷では、前まえだ田真まゆみ由美さん(53)が「都留市で育ったトゥルシーを広めたい」という想いから、「ハーブ工房~まーさんちの庭~」を立ち上げた。はじめて聞くトゥルシーの名前に惹かれて真由美さんにお話をうかがう。楽むしことを大切に原優希(国際教育学科3年)=文・写真原口桜子(学校教育学科3年)=写真36no.117 Jul. 2024

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