117号HP用
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40no.117 Jul. 2024 晴れた昼下がり、大学の西側にある、通称「オレンジロード」を歩いていると、本学グラウンドを眺める田中さん(82)がいらっしゃった。こんにちはと声をかけ、昔のアルバムを持っているかたを探していることを話すと、自宅でアルバムを大切に保管してあることを教えてくださった。「うちにあるからおいでよ」という田中さんの一言をきっかけに、ご自宅へお邪魔することになった。玄関の前では奥さん(82)が田中さんの帰りを待っていた。「アルバムが見たいんだって」と田中さんが私を紹介すると、奥さんが「あらそうなの、いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれた。こうして、お二人に昔のアルバムを見せていただくことになった。お二人が暮らしてきた都留お二人が今の家に越してきたのは46年前のことだ。当時、谷やむら村にあった本学が現在の田たはら原に拠点を移し始めていた。まわりには桑畑が広がっていて、家屋もほとんどなかったのだという。今は隣に大きなアパートが建っていて、窓から見えるのはコンクリートの壁だが、当時は山が見えたそうだ。「学生より本学のまわりには、かつてどのような風景が広がっていたのだろうか。長く都留で暮らしてきた人にお話をききたい。このまちに越してきて1年が経ち、都留の昔のようすにも興味を抱くようになった私は、昔のアルバムを持っているかたを探すことにした。谷上碧(地域社会学科2年)=文・写真写真が教えてくれること
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