118号hp用 圧縮
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18no.118 Dec. 2024店内で販売している他店の商品。都留にはまだまだコラボしたいお店があるそうだ(2024年10月18日)横山幸乃(国文学科2年)=文・写真北原日々希(地域社会学科2年)=写真ガラスケースにおにぎりが並べられている。予約のためにやって来たお客さんは、「のぞいているとつい買いたくなっちゃうね」と言っていた(2024年10月30日)分ばかりが儲かればいいわけではないし、お客さんが喜ぶ顔が見られるとやっぱり嬉しいな」ともおっしゃった。幸せを感じるのは、京のおにぎりを買いに来る私やほかのお客さんだけではない。嬉しそうなすがたを見た風間さんも同じように幸せを感じているようだ。お店も買う側も幸せな気持ちになる。そう思うと、これからも京を訪れたい気持ちがますます大きくなる。地域に愛されるお店1年間お店を続けていて感じたことを尋ねると、「地域貢献、地域に愛されるお店」が最初から変わらないモットーだと教えてくれた。地域貢献といえば、清掃活動や、小学生の登下校の見守りなどのボランティア活動がいちばんに思い浮かぶ。風間さんが考える地域貢献とはどのようなものなのだろう。地域貢献のひとつとして、京は複数の都留のご飯屋さんとコラボをしている。今まで「ドレッシング工房fフレックルreckle」の青唐辛子味噌や「Café&Diningtタイニーメニーinymany」の鹿肉をおにぎりの具にした。お店同士が協力すればお互いの宣伝になって、より多くのお客さんがお店に来てくれる。それによって、地域の活性化につなげられたら良いなという思いがあるそうだ。また、風間さんはお客さんと仲良くなりたいという考えから、積極的に会話をすることを心がけている。私がお話を聞きたいと思ったのも、風間さんが気さくに声をかけてくれたからだ。風間さんの人柄も、京が目指す地域活性化のきっかけになっているはずだ。* * *「おにぎり京」に足を運ぶたび風間さんから話しかけてくださったことで、今回お話を聞いてみたいと思った。だが、そもそも何度も行きたくなったのは、それほどに京のおにぎりに惹かれたからだ。会話を交わす前であっても、おにぎりのおいしさが、風間さんへのたしかな信頼につながっていた。風間さんは京にやって来る人との会話を大切にし、お客さんの事情や健康に気を配っている。そして、「手軽においしいおにぎりを食べてもらいたい」という風間さんの気遣いに惹かれたお客さんがまた京にやって来る。風間さんがおにぎりに込めた想いは、そうして風間さんと私たちのあいだを巡っているのだろう。
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