118号hp用 圧縮
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21ブトムシやクワガタを配る企画をしたさい、自ら半月ほど山に通い、相当の数を集めたのだそう。これは決して片手間にできることではない。ただスローガンとして「ワクワクを届ける」と言っているのではなく、山本さんが強い想いを持って﹃街かど情報TSURU﹄に取り組んでいることが伝わってくる。あらためて紙面を見てみると、お二人の記事が地域に根差したものであることはもちろん、イベントのお知らせや広告も地域のかたにむけて、ていねいに作られていることがわかる。また、読者のかたむけに行われる懸賞の景品も、地元商店の物が使われている。読者のかたとコミュニケーションをとるお二人の活動は、地域を応援することにもつながっているのだ。読者の声本学のすぐそばで喫茶店「バンカムツル」を営む中なかむら村操みさおさん(72)は、長年﹃街かど情報TSURU﹄を愛読している。お客さんが読めるよう店内に置いているほどだ。山本さんや小宮さんとの交流もある中村さんに、読者目線からのお話をうかがった。「都留の人はみんな知っているんじゃないかな。みんな毎号楽しみにしてる。店に置いておいてもすぐお客さんがもらってっちゃう」と中村さんは楽しげに語ってくださり、親しみを持っていることが伝わってくる。続けて中村さんは、「二人とも頑張っているけれど、山本さんは見るからに活動的だよね、いろんなことをして。小宮さんは一見穏やかだけれど、内に根気強さを持っているよね、創刊から何十年も活動を続けてきたわけだからね。その二人が上手くかみ合っているからこそ、記事に厚みが出てくるんだと思うよ」と笑顔で教えてくださった。最後に中村さんは、「﹃街かど情報TSURU﹄は都留の文化だから。チラシとか散発的なものとは違うよね。ずっと続いていってほしい存在。だから私は、店に置き続けるんだよ」と真剣な表情でおっしゃった。中村さんのように地域の活動を応援する市民のかたがいるからこそ、﹃街かど情報TSURU﹄が都留にしっかりと根付いているのだろう。***山本さんと小宮さんは、B4サイズ1枚という限られた紙面に、地域に根差した情報を詰め込んでいた。お二人が読者のかたに届けているのは、情報だけではない。手に取った人にワクワクが届くように、ときにはきょろきょろし、ときには山に通って、﹃街かど情報TSURU﹄は形づくられている。人に伝わるように想いを形にすることは、決して簡単なことではない。お二人のように、受け取り手にむけて日々行動を積み重ねていくからこそ、多くの人へと届くのだと気づいた。私も、自分の想いを自分なりの形で表現できるように、時間や手間を惜しまず人と接していきたい。FIELD・NOTE118号 特集「届ける」本来はここに『街かど情報TSURU』が置かれている。もらって行く人が多いため、スペースが空いている(2024年10月24日)
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