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44no.118 Dec. 2024この実、なんの実、  どんな味実、なんの実、なんの実、  どんな味②脇田晃納環(国文学科1年)=文・写真に出会う。ガマズミだ。赤色の実が、ちょうど木に差しこむ日の光に照らされて、ひときわ輝いている。近づいてみると、すっかり赤くなっている実もあれば、黄みを帯びた実もあった。表面はつやつやしている。反対に、緑色の実は表面に短い毛のようなものが生えている。さわり心地がよさそうだ。手を伸ばしてさわろうとしたが届かず、あきらめた。色も形も違う実が、なぜ同じ木に実っているのだろう。気になって、図鑑で調べてみる。緑色の実は虫こぶというらしい。虫こぶとは、虫のすみかや、産卵場所などのことだ。葉や枝などいろいろな場所にできる。ガマズミの場合は、実にできるようだ。虫が関わることで、すがたが変わることがおもしろい。最後に出会ったのはマテバシイの木だった。本学のコミュニケーションホールの横にある。マテバシイはどんぐりの一種だ。幼稚園生のころに図鑑を読んで、どんぐりが食べられることを知った。そのときから、いつか食べてみたいと思っていた。どんぐりのなかでも、マテバシイはアクが少なく、下処理をせずに食べられるらしい。この機会に食べてみよう。そう思って拾っておくことにした。木の実を食べるさっそく、持ち帰ったマテバシイを食べる。ゆでる、炒るなど、マテバシイの食べかたはいくつかある。今回は、炒って食べてみよう。炒るだけなら簡単にできて、どんぐり自体の味も感じられるはずだ。下準備として、まずマテバシイを水につけて、虫がいないか確かめる。布で拭いてからフライパンで炒ると、表面がつやつやとしてきた。リースの飾りにしたらきれいだろうな。そう思いつつ、食べるために我慢する。10分ほど炒って、ひびが入ったところから割ってみる。映画館の廊下のような、ほこりっぽくて甘い匂いがする。どんぐりを食べるのは、はじめてだ。わくわくしながらかじると、固めのクリのような食感がした。同時に、香ばしいきな粉のような香りが鼻にぬける。味もクリに似ているが、クリほど甘くない。少し食べて、ただ炒るだけではなく、どんぐりを使って料理をしてみようと思いたった。調べてみると、どんぐりでクッキーが作れるそうだ。詳しいレシピがなかったため、手探りで作ってみることにした。木の実と出会う9月中旬、うら山に向かっていると、本学の2号館の横で、オレンジ色の木の実に出会った。エノキの実だ。枝を顔の近くまで引っぱって、実のようすをじっくりと見る。直径が5ミリメートルくらいの大きさだ。表面はなめらかで、さらさらしている。木全体を見渡すと、鮮やかなオレンジ色、くすんだ赤色、黒っぽい色の3種類の色の実があった。あとで図鑑で調べると、実の色はオレンジ色から赤色、そして黒色へと変化するそうだ。うら山に入り、やまびこ競技場へ向かって歩くと、赤色の実と緑色の実がなっている木前号ではクワやキイチゴの実を食べた。秋になると、もっと多くの木の実が実みのる。そのなかにも、食べられる木の実はあるだろうか。大学周辺やうら山を歩いていると、食べられる木の実との新しい出会いがあった。①エノキの実 ②ガマズミの実 どちらも食べられる。エノキはパサパサしてほんのり甘く、ガマズミはしゃりしゃりして酸っぱかった(2024年9月20日)①

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