フィールド・ノート No67
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25檀だんか家さんとの約束 毎年、「読書週間」や「文庫祭り(高源寺で開催する祭り)」など、イベントのお知らせとして発行している「文庫だより」も号外を含め102号となった。文庫を始める時、ある檀家さんが協力を買って出て、現在まで「文庫だより」を描き続けてくれた。「100号になる頃には(その檀家さんは)だいたい90歳になる。その時には閉館のことを考えよう」。当時50代後半だった檀家さんと文庫を開館した時から決めていたことだったという。始まりがあれば、必ず終わりが来る。斎藤さんにとっても、檀家さんやお母さん方にとっても、日常の一部がなくなることは、まさに心にぽっかりと穴が空くような、そんな感覚なのだろう。文庫と人 長い歴史のなかで、高源寺文庫にかかわった人はどれだけいたのだろう。斎藤さんとともに活動してきた檀家さんや運営のボランティアを行ってくれた近所の人、そして何より、文庫を必要とし利用していた子どもたち。数え切れないほどの人に支えられ、必要とされて今まで続ることができた高源寺文庫。私がかかわったのは最後の一回だったけど、ここで見た子どもたちの笑顔を思い出として心に残しておこうと思った。A:高源寺の門。境内の木には名前のプレートがついているB:高源寺文庫の外観。サッシ戸が入り口。そこから靴を脱いであがるC:文庫に来ていた兄妹。最近、お兄ちゃんは文庫のなかにマンガがあることを発見 したとかD:お母さんの読み聞かせを、真剣に子どもたちが聞いている。お母さんと家のあい だにあるのは「はらぺこあおむし」の紙芝居E:3歳の男の子。一緒に写っているのは、みんなの落書きが描かれた紙でできた家。 なんと、4代目だというF:「文庫だより」(号外)102号目。内容は、甲府市立図書館で12月21日~26日 まで行われた「高源寺文庫 思い出展覧会」についてのお知らせ岩下瑞枝(社会学科3年)=文・写真 F C B A D E

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