フィールド・ノート No67
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FIELD.NOTE26本学の講義や『フィールド・ノート』編集室の会話のなかで馬についての話を聞くことが何度かありました。現在本学がある場所が競馬場だったことや、このあたりに馬に関わる仕事があったこと。暮らしのなかで馬と人はどのように関わっていたのでしょう。 11月7日、十日市場に住む渡わたなべ邊宗むねお男さん(80)に、馬についてのお話を伺いました。渡邊さんは昭和35、36年頃まで、馬を飼っていたそうです。今から50年くらい前になります。 当時の馬一頭の値段は四〜五十万円。十日市場には多いときで馬が30頭、乳牛が3頭いたそうで、ほぼ一家に一頭馬がいたというのには驚きました。また、獣医さんや、かなぐつ屋(装蹄の仕事)もあったそうです。 今では特定の場所でしか馬を見ることはできません。馬に関する知識を持つ人はごく一部しかいませんし、触ったことがあるという人もなかなかいないでしょう。 馬について渡邊さんは「生活の一部だよぉ」と当然のように答えます。馬が生活の一部というのは、馬に関わるお仕事をしているかた以外、想像もつかないかもしれません。 私は高校生の時に馬術部で、毎日馬の世話をしていたこともあり、馬が生活の一部というのはなんとなくわかるような気がします。しかし、宗男さんがいう「生活の一部」とは少し異なると感じました。「堆肥をこしらえるにも馬の馬糞がいるし、畑や田を耕すにも馬が必要だった」。今のように化学肥料がなかったので馬糞を堆肥として使ったそうです。そうすると土が柔らかくなり畑が肥えたとか。また、耕運機やトラクターがなかったので、農作業をするうえで馬は田畑を耕す重要な役割を果たしていたようです。競馬上がりの馬を農耕馬として使うこともあったといいます。  馬の世話に関して、渡邊さんは「生きものを飼うってことほど大変なこととの暮らし写真は渡邊さんではないが、馬と人びとがともに馬人と暮らしていた様子がうかがえる

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