フィールド・ノート No67
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39都留の森にはムササビが住んでいます。しかし、ムササビの生態についてはまだわからないところが多くあります。そこで、ムササビの巣箱にライブカメラを取り付けて、生活のようすを観察しようという試みが今年度から都留文科大学の地域交流研究センターと情報センターでおこなわれています。それが「ムササビライブカメラプロジェクト」です。ムササビライブカメラプロジェクト」はトラブルも多く、その運用は一筋縄ではいかなかった。巣箱は森のなかの木の上に設置してあるのだが、この森のなかというのは湿度が高い。夏場は汗がまったく乾かないほどの湿気なのだ。外で運用するためにカメラは防水仕様になっているが、湿気は防ぎきれない。そのため、湿気でカメラの無線装置が腐食してしまい故障してしまったことがある。現在ではカメラの故障を防ぐために月に一度、日が沈んだあと木にのぼり(ムササビは日没後に出巣するため)、巣箱のなかに設置したカメラのメンテナンスをおこなっている。それでも、突発的なトラブルには対処が難しいのが現状だ。 たとえば、突然カメラの映像がとぎれてしまうことがある。ネットワーク上のトラブル、電波が弱くなる、ケーブルが抜けているなどさまざまな原因があるが、11月にはなんと電源ケーブルが切れていた。 カメラを動かすには電力が必要になるため、電源■都留文科大学ムササビライブカメラ(http://www.tsuru.ac.jp/open/musasabi/musasabi01.html)ケーブルを森のなかに伸ばして動かしている。それが切れていたのだ。原因は特定できていないが、今後このようなことが起こらないように電源ケーブルをゴムのチューブで覆い、簡単には切れないような対策をおこなった。 今年度からは学生食堂と自然科学棟、そして大学のウェブページ上で巣箱のなかのようすを見ることができるようになった。ノートやコメント欄も用意しているので、気軽にムササビを観察して生活のようすを書きこんで頂ければ幸いである。今後も、誰でもムササビを観察ができるような環境づくりのために努力と工夫を重ねていきたいと思う。寸断された配線● 志村夏樹(地域交流研究センター職員)=文・写真

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