フィールド・ノート68号
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11「ほしのこ会」との出会い 2011年1月29日。冬の寒さを感じさせないくらい、穏やかな陽気に包まれた日。 私は大学2年生の春から市民の方に5アールほどの農地をお借りし、大豆を育てている。収穫した大豆で味噌をつくりたい。味噌づくりの工程は本で読んだことはあったが、じっさいに家庭でどのように味噌がつくられているのか直接見てみたい。そう考えていた私は、味噌づくりをおこなっている「ほしのさと工房」を訪ねた。 「今日味噌をつくるのは、ほしのこ会のメンバー」と最初に紹介してくださったのは、「ほしのさと工房」の店主である山口とも子さん。山口さんご自身は、今年の味噌をつくり終えていた。「ほしのこ会」が味噌をつくるための場所を提供するという形で今回「ほしのさと工房」で味噌づくりがおこなわれた。「ほしのこ会」とは、山口さんが実践するマクロビオティック(※)と呼ばれる食を大事にした暮らしの実践に共感し、「ほしのさと工房」を拠点に活動するグループ。山口さんのアドバイスを受けながら、4年前から味噌づくりをおこなっている。「ほしのさと工房」の味噌づくり 「ほしのさと工房」には、「ほしのこ会」をはじめさまざまな人が味噌づくりにやって来ている。「決して募集をかけているわけではない」と山口さん。山口さんがつくった味噌汁を口にした人が、美味しいから一緒に味噌をつくらせてほしいと声をかけてきたことが始まり。当初は友達や親戚、バイトで働く従業員といった身内での取り組みだった。しかし、屋外で大豆を煮ているようすを見に来た近所の人も興味をもつようになり、参加者が徐々に増えていった。「12月になると毎週違う人が味噌づくりをしに来る。多いときなんて、一週間毎日違う人とやっていたくらい」と山口さん。味噌づくりの加工所ではないのだが、まちのパン屋が味噌づくりの寄り合い場となっているのだ。 味噌づくりは思ったよりも簡単な作業だった。この日の作業は前日に約5時間煮ていた大豆を再度加熱するところから始まった。大豆を温めているあいだに、塩と麦麹を手でこすりながら混ぜ合わせる「塩きり」をおこな1大豆を約5時間煮る(写真は前日に煮たものを再び温め直した大豆)麹屋に用意していただいた麦麹(麹は少し黄色がかった色味)2麦麹と塩を混ぜる「塩きり」をおこなう(両手でこすり合わせる)3
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