フィールドノート69号
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2727もに、畑や田んぼづくりに汗を流していけば見えてくるような気がする。「都留」の見方が変わるとき小さなまちだと思っていた都留。でも、「農」との出会いによって、まだまだ未知の広さと可能性を持ったまち「農」に取り組む学生団体が共同で開催した合同説明会(2011.5.17)に思えるようになった。今年から、学生が主体となり本学近くの田んぼでコメづくりに励む「田んぼクラブ」にも顔を出すようになった。畑を知ったから田んぼも覚えたいという興味からだけではない。きっと2年間、野菜や大豆をつくることを通して、見慣れてきた食べ物をつくることに自然と興味が湧いていたからなのかもしれない。おもしろいことに、畑や田んぼで作業をしていると、いつもは通り過ぎていただけの風景がガラリと変わり、土と近い距離にいることを意識する。こんなに近くに土はあって、そこでは野菜や大豆、コメをつくることが出来る。今までは勝手に遠い存在に感じていた畑や田んぼが、じつは日常にあったのだ。もし、都留での暮らしがなければ、私はじっくり腰をおろして土と触れあうことがなかったように思う。そう思うと、都留で大学生活を過ごせていることが、しみじみとありがたいことだなと感じる。都留に来た1年目は、「都留にはなにもない」と、友だちと漏らすことが多かった。しかし、都留をよく知ることで、そこでの暮らしも充実したものになってきている。そのひとつが、畑や田んぼでの活動である。畑や田んぼに携わることがなかった学生でも、長靴を履いて鍬をもって土を耕せるのだ。畑や田んぼと隣りあわせの暮らしを体験できる都留は、私のお気に入りのまちである。惜しいことに、大学生活も残り2年をきった。野菜づくりは、一年ずつ経験や発見を積み重ねながら、自然のリズムを掴んでいけるから楽しいのだ。都留であと2年しか暮らせないのかと思うと、少し寂しい気持ちを抱くようになった。だからこそ、都留でのあと2回の四季を、これまで以上に心と身体にしっかり刻みたい。人生で初めての田植えをする筆者(2011.6.12)

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