フィールドノート69号
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9ロ縄は、雪吊りの頭をきわ立たせる決め手だ。背の高い雪吊りが頭にかぶった小さな笠。どこかお祭り道具に見えておもしろい。晩秋、都留だと11月の終わりごろに現れる、雪吊り。庭木を覆う飾りは、冬を知らせる。寒さに備えているんだな。これから、もっと寒くなるんだな。わ・・らで厚着をした庭木を見て思わず身震いする。冬を越した雪吊りは春先にバラバラになって、庭木は自由になった枝をのびのびと伸ばす。ちょうど、暖かくなって冬の寒さを忘れていくように、雪吊りはそっと身をひそめて春を知らせるのだ。現れるときは冬を告げ、なくなるときは春を知らせる。姿を見なくなってから一ヶ月が過ぎた。わらの飾りとはしばらくお別れだ。聞いた話では、雪吊りのてっぺんにわ・・らでつくった鶴を乗せる人もいたという。どんなふうに取りつけられるのだろう。どんな鶴なのだろう。いつか見られる日が来るだろうか。まだまだ遠い冬。冬に上を向くのが今からたのしみになってきた。参考文献:『庭木の手入れと雪吊り』、中山草司、金園社、1997*都留市田野倉にある平井造園のかたにお話をうかがいました。ご協力ありがとうございます左右の写真:4月14日、大月市初狩にて撮影。5月のはじめに取りはずしていた。平井造園( )では4月はじめに取りはずすそうだが、山間部のこの地域では遅い時季の雪に備えているようだ。てっぺんの飾りが「わらボッチ」*石川あすか(社会学科4年)=文・写真
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