FN70号
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十日市場MAP永寿院都留文科大学田原の滝ガソリンスタンドフィッシュなかの棲月院ファミリーマートとおかいちばつるぶんかだいがくまえ赤茶色の岩肌から溢れる湧水湧水を共同で利用するために設置してある貯水タンク永寿院裏側にある森の斜面に咲くヤマユリ湧水の岩肌に群生するウスバゼニゴケ眺めるだけでも清らかな水に癒しを感じるが、手をさしだし感じる水の冷たさ、口に含んだときの味わいもまた「涼」だ永寿院裏側にある湧水の流れ。水量の豊富さから、この流れの下にある家では水車を2基設置し、はた織りをしていたそうだ﨑田史浩(社会学科3年)=文・写真湧水専用の水道組合がつくられた。5軒の家庭が組合に入り湧水を共同で利用している。水道水が使える今でも、自然に湧き出る水を大切に使い続ける仕組みが生きているようだ。水は私たちの暮らしに深く根ざしている。水道組合という地域独自の水の使われかたを知り、改めて水について考える機会となった。        ◇ 暑い夏の日、水のそばに居心地の良さを感じるのは、私だけではないだろう。今回はそんな水を通して、さまざまな出会いや発見があり、自分の知らなかった水辺の世界が開けてきた。ひとつの場所にじっくり身を寄せ五感を研ぎ澄ます。その行為が地域に愛着を持つ一歩であり、また興味を広げるきっかけとなるのだ。水がつむぎだす生きものの存在や人の暮らしを覗けば、きっと地域ごとに多様な世界が広がっているだろう。なんだか、水を頼りに地域を見てみると面白そうである。そのような新たな好奇心が芽生えた十日市場の散策であった。11特集:涼む

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