FN70号
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2929 また、狐をモチーフとした「十とみきち三吉」がマスコットキャラクターなのも、その儀秀稲荷社が関係している。三町商店街のそれぞれの店の看板には「十三吉」がいて、その下には四字熟語が書かれている。この四字熟語は店ごとに違って、少し変えてあるので見て回ると楽しい。私がおもしろいと思ったのは「深沢食料品店」の四字熟語。「千せんざいいちぐう載一遇」を「鮮せんさいいちぐう菜市遇」としてある。見た時「なるほど!」と思った。 三町商店街は固定客が多く、お客さんとの関係が深い。また、商店街の役員の方々が十三の市でイベントを実施するなど、積極的に活動をおこなっている。商店だけではなく、病院、金融機関、市役所、小学校など生活のなかで利用されることが多い機関に近いため、利用しやすい。そして休憩所として使える三町亭があり、歩き疲れた時のんびりできる。 そんな三町商店街だが、客の減少や後継者の不足などの問題がある。私の地元でも経営が上手くいかなくなったり、継ぐ人がいなくて続けられなくなり、看板を下ろしてしまう店があった。そんな光景を見ていると、なんだか小さいころの思い出の場所も失われていくようで悲しい気分になる。         ◇ 大型の量販店でも買い物は出来るが、私は商店街の店の方が好きだ。人と向き合っている感じがするし、オススメの商品も聞ける。あと、名前を覚えてもらって世間話をしてもらえるようになると、なんとなく、くすぐったくて温かい気持ちになる。そんな商店街がなくなってしまったら交流の場も失われるし、昔からあったものがなくなってしまうと寂しく思う。 一人暮らしで人恋しくなって、少し散歩してみたい気分になった時、商店街に行くと人と触れ合え、また故郷のような懐かしさを感じることができる。商店街は私にとっての故郷の象徴のようなものだ。そして、新しい発見や出会いを与えてくれる場でもある。これからも商店街を訪れて、そこで感じたことを大切にしていきたい。    岩佐志保(社会学科1年)=文・写真(右写真)三町商店街のマスコットキャラクター「十三吉」と四字熟語の看板。あなたのお気に入りを探してみてはどうだろうか商店街の休憩所である三町亭

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