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小野 1月15日撮影(西教生) 小俣製材所をすぎて都留文科大学附属小学校までの川沿い右岸にひとつ立っていた。子どもの習字が吊るされる宮みやばら原 1月17日撮影 田んぼ脇とつの答えが見つかるものではなさそうだった。けれども、それを突き詰めることはあまり重要ではないのかもしれない。「飾り」に込められた意味も、あとから付け加えられたり、立てる人によって違う解釈がなされたりしていた。中身が変わりながらも続けられているようすがおもしろい。続けることそれ自体が大事なのだ。目に見えない不確かであいまいなもの。けれど、確かにあるもの。「飾り」として姿を与え、目に見えるものに現すことで、そうしたものがあるということを確認することができる。たとえそこに込められていた中身は失われたり変わったりしたとしても、何か、そこに込められているものがあるのだということに、「飾り」を立てるたび、見るたびに気が付くことができるだろう。また、あいまいだからこそさまざまな人が思いを重ねられ、その存在が残ってきたのかもしれない。「目に見えない」ものが気になって、その正体を確かめようとした。けれど違う関係の持ちかたもありそうだ。その方法をもう少し探ってみたくなった。*「飾り」の意味は都留市郷土研究会の安やすとみかずお富一夫さん(84)にうかがいました。ありがとうございました宮原道祖神に取り付けられた五色の紙しで垂は、五行を表し、一年を表す(青:春、赤:夏、黄:土用、白:秋、黒(紫か緑):冬)。各側面に3箇所ずつ、計12箇所とりつける。(うるう年は正面に4箇所で、計13箇所)柱に使う木はおもにスギやヒノキ。スギ:まっすぐ、素性がいい/ヒノキ:「火の木」。昔は火をおこすのに使われたことから。火除けの祈りが込められる。梵天竿先端の竹12本の飾り(オヤナギサン)のとりつけかた(放射状)には、四方八方から魔を防ぐという意味が込められている。12という数は12ヶ月を表し、「一年中」の意味がある。うるう年には13本取り付ける。四方にむけて素縄を張り端は杭で止めて、梵天竿が倒れないようにした。4本の縄は四方(東西南北)を表し、すべての方角から悪いものを寄せ付けないという意味がある。3154345特集:冬仕事13

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