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まゆだんごはお蚕の繭を模した紅白の団子を木の枝にさしたものだ。小正月の前に各家庭でつくり、一年の豊作や健康を願い神様にお供えする。小正月におこなわれるどんど焼きで、これを焼いて食べる。団子をさすのに使う木はヤマボウシと決まっている。なにか理由があるのだろうか。「飾り」の意味をうかがった(前頁参照)安富一夫さんによると、ヤマボウシは「ダンゴバラノキ」と呼ばれる。花に大きな白いガクが4枚十字につくようすから別名「四ししょうか照花」ともいい、四方を照らして、悪いものを寄せ付けないという意味で使われるそうだ。今はまゆだんごをつくる人も減り形も小さくなっているが、昔はもっと大きくこしらえたという。中心にヤマボウシの枝を置き、両脇にカキとクリの枝を添え、フジのつるで縛る。これは「フジ(富士)の山ほどカキ(掻き)取ってクリ(繰り)まわしがよいように」という意味らしい。以前聞いたものとは少し違う(71号参照)。お話を聞くたびに関心は尽きない。(香西恵)渡邊さとゑさんのまゆだんごづくり(2011.1.12)/右下:十日市場の水路で見つけた、水神様にお供えされたまゆだんご(2011.1.14)まゆだんご特集:冬仕事風景に見つけた冬仕事外を歩いていて見つけたこの季節ならではの風景。そこに込められた意味や役割をたどっていくと、変わっていく「冬仕事」の姿が見えてきました。東桂から十日市場へと下りていく坂の途中に、渡わたなべ邊宗むねお男さん(81)の田んぼがある。そこで秋から冬のあいだ、ぽこぽこと生えてきたかのように重ねた藁が現れる。藁わらにお堆というらしい。束ねた藁を斜めに積み重ねることで雨や雪を流して、藁を乾いた状態で保管できる。遠くから見たときはまたげるくらいの大きさだと思っていたけれど、近づいてみると首まで届くほどの高さがあり、意外と大きい。重ねた藁の束のうえには藁を編んで作った笠が乗っている。俵をつくるときに使う「俵編み」という編みかただそう(左写真)。こうして冬を越す藁は堆肥、草ぞうり鞋作り、苗床の覆いなどいろいろなことに使われる。藁は秋冬の馬の餌としても使われていたため、戦前は馬を飼っている人の畑でよく見られた。昔の写真を見てみると、形も大きさもまったく違う藁堆が写っている。これからの藁堆の姿はどうなっていくのか、見届けていきたい。(大澤かおり)右:戦前のものらしい藁堆。右手の人物と比べるとかなり大きい(『奥隆行写真コレクション』より)/左:渡邊さんの田んぼにある藁堆を見せていただいた(2012.2.10)藁堆(わらにお)FIELD.NOTE14本誌編集部=写真
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