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ハーブティーレッスンマロウブルーというハーブを知っているだろうか。それだけだときれいなクリアブルーのお茶なのだが、そこにレモンの汁を加えると、さあっと透き通ったピンク色に変わる。こうして見た目で楽しめるのもハーブティーのおもしろさ。でも、市販のものは多すぎて飽きてしまうし、自分で入れると何だかおいしくない。そんなとき出会った「紗泡」。せっかくなので、ハーブティーレッスンを受けた。おいしいハーブティーを飲むためには好みでブレンドするのがいい。「単品の味がわかればうまくブレンドできるようになる」ということで、それぞれを一つずつ味見させてもらった。一般に売られていて赤い色が特徴のローズヒップティー。しかしそれはよく一緒にブレンドされるハイビスカスが出す色なのだ。今までのローズヒップティーは赤い、という固定概念が覆された。それぞれ単品で飲んでみると、本来の味がどういうものなのかがよくわかる。杉本さんは残ったハーブティーはその日のうちであれば化粧水にも使えると教えてくれた。自然のものだから、安心して使える無添加の化粧水になる。飲む以外の利用法があるとは、とても新鮮な発想だ。を自宅で使って良さを発見し「紗泡」にやってくることもよくあるという。既製品ではない、自分でつくる良さ、効果を実感できるいいものを知ってほしい、という杉本さんの気持ちが伝わってくるようで、ますます「紗泡」に惹かれていった。「紗泡」のコンセプト活動するにあたっていつも考えていることを教えてくださった。『人に依存するのでなく見る目を養うこと』カラーセラピーやハーブティーレッスンはトレーニングなのだという。最終的には自分の見る目を養って、似合う色、そのときの気分に合う香りを選ぶこと。自分を見つめて自分の心を気遣ってあげること。それを手伝うための場所が「紗泡」なのだ。「トータルできれいになれる秘訣はいっぱいあるんだよ、って伝えたい」と杉本さん。ハーブティーもアロマも、私にとって時間があるときにしかできない贅沢だが、杉本さんはその色や香りの力を理解し、日常にとりいれている。お話を伺って、私は新しい生活のかたちを発見した。それは、今は特別なものが、使い続けることで、いつのまにか生活の一部になっていくということだ。私もその過程を味わってみたい。35カラーセラピーで使う色のサンプル。赤、青、オレンジ、透明、ピンクなどさまざまな色が並ぶ。これを見て、気になった色で自分の今の気持ちがわかるというハーブティーは味覚だけでなく嗅覚でも味わっているという。人工的ではない自然の植物の香りだから、少し草っぽいけれどその香りが本物なのだ。その香りを一つずつ自分のなかにたくわえていけば、見えていなかったものが見えるようになると思う。それが「紗泡」のコンセプトの「見る目を養うこと」のひとつであるような気がする。本物を知ること、感じることで自分の感性を育てていきたい。杉本さんのお宅では朝、お茶のパックにブレンドしておいたハーブティーを入れて飲むそうだ。素敵な暮らしかただ。「紗泡」でハーブを手に入れてから、私も毎日好きなものをブレンドしている。同じブレンドでも分量によって味がまったく違い、毎日飲むのが楽しみだ。今度は自分でハーブを育ててみたくなった。自分でつくることでまた新しい発見があるかもしれない。小佐野めぐみ(国文学科3年)=文・写真香りのアトリエ「紗泡」 open; 10:00-17:00 (木・金は19:00終了)完全予約制・不定休URL; http://saposoap.web.fc2.com/index.html35

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