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貴重な機会だと思い、喜んで参加をさせていただいた。◇2月18日、19時25分、「フォトクラブ秀しゅうほう峰」2月の月例会が、富士吉田市にある上かみじゅく宿会館で始まった。この日の参加者は私を含め7人。中村先生のお話から始まり、その後の事務連絡が終わると、先生に写真を見てもらうこととなった。机の上に、会員の撮った、多くの写真が並んでいく。風景写真が中心で、そのなかでも富士山の写真が多い。都留市や富士吉田市は、富士山に近いため、気軽に行ける撮影ポイントが多いのだ。写真はどれも傑作に見え、私は目を奪われてばかりいた。全員で写真を見ながら、思いおもいに意見を交わしていく。中村先生が、冗談や世間話を交えながら気さくに話しかけてくれたので、私はいつの間にか、先生に親しさを覚えていた。先生は写真1枚1枚を評価するなかで、写真をトリミングし、よりよい構図を教授することもある。ここでのトリミングとは、写真の上に黒いL字形の定規のようなものを2枚置き、余分な部分を隠すことだ。私が撮影した写真もトリミングしてもらった。まず先生が写真の不要な部分を隠す。意図したものをより目立たせるため、よりよい構図へと変えるのだ。先生だけでなく、一緒に見ている会員も、こっちの角度から撮った方がいいとアドバイスをくれた。少しでも角度や撮影範囲を変えると印象が変わる。撮影時に何パターンか撮っておけばよかったと、思わず悔やんだ。◇月例会のはじめにあった、中村先生のお話が印象に残っている。写真を続けるには仲間が必要だ。上手くなって自立し1人になると、見せ合う経験や張り合いがないために、いつかやめてしまう。写真は自分が「いいや」と思ったらそれで終わり。自分自身との戦いだから、マイペースにコツコツと、楽しみながら撮ることが大事。「秀峰」で写真を見せ合うことが、写真を撮る気持ちを駆り立たせる。会員達はひとつの芸術について、心置きなく、意見を交わせる関係だ。「秀峰」の会員は、よい仲間同士なのだと気づいた。◇黒部さんも中村先生も、また来るといいよと言ってくださった。来月ももちろん参加するつもりだ。この新しい繋がりのおかげで、写真を通して毎日がより充実する。写真を撮るという行為は、もちろん思い出を残すことでもあるが、自分の感性に訴えた一瞬を切り取ることではないだろうか。その瞬間をいかに再現するか。その感動をいかに表現するか。意図するものを伝えることへの高い意識を、「秀峰」で学んだ。こだわりを持つからこそ、狙ったものが撮れたとき、感動を伝えたときの喜びは大きいものとなる。繋がりが増え、仲間が増え、見せ合う機会が多くなる。そうして写真を撮ることの喜びを実感すると、明日もまたカメラを持ち出そう、と思うのだ。トリミング前の私の写真左の岩を隠し、秋の葉をより印象的にみせる37

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