FN73号
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種イモに肥料がかからないように気を付けるなど、気を配ることがありました。 それから4日後。この日は葉もの野菜の種まきをおこないました。今回まいたのは何種類かの野菜が混じったサラダミックス、バジル、小松菜と半結球レタスです。30㎝間隔で畝に横向きの細い筋をつけ、つけた筋に種をまき、軽く土をかぶせます。この日から一週間ほどは、発芽を見守りつつ、土が乾いたのを確認したら水やりをしました。作物と、そうでない「生きもの」 4月15日、砂田君が中屋敷での草刈り時に葉もの野菜の芽が出ているのを確認しました。サラダミックス、小松菜、半結球レタスの芽が出ています。私が間隔を気にせずまいたサラダミックスはなんだか窮屈そうに芽を出していて、少しかわいそうなような、いとおしいような気持ちになりました。小さな双葉は頼りなさげですが、これからの成長を考えるとうきうきします。ジャガイモも、この日に一つ小さな芽を確認できました。 そしてこの日にはもう一つ、私にとって大きな出会いがありました。畝に動物の足跡がついていたのです。何の足跡かは私にはわかりませんでしたが、中屋敷ではふだんからイノシシが掘り返した跡などを目にすることが多かったので、この足跡もイノシシのものなのでは、と思いました。イノシシやシカは、売りものとしての野菜を育てる農家にとっては非常に厄介な動物です。でもこの日、足跡を発見した私にとっては、この足跡の持ち主はまだ厄介な生きものではなく、自分と中屋敷の自然をつないでくれるパイプのような存在でした。今までも中屋敷で生きものやその痕跡に触れる機会はあったのですが、それが自分で拓いた畑に現れたと思うと、生きものとの距離がグッと近づいたように感じました。「この足跡の主は誰なのだろう、また来るのだろうか」という期待と、「対策をしないと、ジャガイモが根こそぎ食べられてしまうかもしれない」という不安が入り交ざった複雑な気持ちで足跡を均ならし、畝を整えて帰りました。 4月の下旬から、作物はどんどんと大きく成長していきました。バジルは種まきの時期が良くなかったのか、水が足りなかったのか、確かな理由はわかりませんが芽を出していま開墾前の1つ目の畑(3月20日)開墾後(3月20日)作物が大きく成長してきた(6月4日)上の3枚:1つ目の畑が、開墾や作物を植えることで変化するようす。これからどうなっていくのか、とても楽しみだ左:4月30日のサラダミックスの芽。間隔が狭く、窮屈そうだ。間引いたものを2つ目の畑に植え替えた。植え替えてちゃんと育つのか不安だったが、しっかり成長を続けている17

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