FN73号
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せん。それ以外の葉もの野菜とジャガイモの芽が出揃ったころ、虫の被害が出てきてしまいました。ジャガイモの葉を食べるニジュウヤホシテントウです。テントウムシというと、私にとってはアブラムシを食べてくれる益虫というイメージが強かったのですが、種類によっては植物食性で、害虫にされてしまうものもいるそうです。この畑では農薬を使わず野菜をつくりたいと考えているので、虫も「見つけて手で取る」という対処法をとることにしました。 問題は虫だけに留まりません。今度は動物によってジャガイモが掘り返されてしまったのです。今回も、シカなのかイノシシなのかはわかりませんが、根っこから掘り返されていたり、かじられていたり、大きな動物がジャガイモを狙って畑に入ったことは間違いありませんでした。生きものが畑に増えて、私と畑周りの自然とが近づけるのは嬉しいことなのですが、せっかく植えた作物が荒らされていく状況をそのままにしてはおけません。畑の周りに竹の杭を打ち、ネットを張って対策を施しました。また、夜中に畑を訪れた生きものを確認できるように、センサーカメラを仕掛けて、畑の観察を始めました。まだ生きものが写ったことはありませんが(5月25日、センサーカメラにシカとアカネズミが写り、5月27日にシカが写りました)、今後、夜の生きものの姿を見ることができるのでは、と今からたのしみです。畑を広げる はじめに拓いた畑だけでは育てたい作物を植えきれなかったため、もう一つ畑を拓くことになりました。こちらも同じように土を耕し、石灰を混ぜ込んだのですが、一つ目の畑よりも土が軽く感じられました。少し土の質が違うようです。どのように、なにが違うのだろう。もっと近づいて、違いを知りたいと思いました。小さな違いに敏感になれば、畑のことをもっとよく知れるのではないかと考えたからです。しばらくして二つ目の畑に夏野菜の苗を植えた日に、両方の畑の土に素手で触れて、ちゃんと違いを確かめてみることにしました。 土を触って比べ、分かったことがあります。一つめの畑の土は、二つ目の畑に比べ、粒が少し小さいようです。泥に近いような細かい中屋敷でであった生きもの:哺乳類ニホンジカ小屋の前にある池に、シカが水を飲みに来ているようすをとらえることができました。池の周りには動物の足跡がたくさん残っていて、この池が動物たちの水飲み場になっていることが分かります。このシカ以外にも、多くの動物がここを利用しているのかもしれません。       (5月27日)アカネズミ小屋の池に面していないほうの窓に設置したセンサーカメラに写りました。数カ所に分けてエサ(ヒマワリの種)を置いて、小屋の中で待機しながら来るのを待ちます。私はまだ撮影の場に立ち会えていないので、空いた時間を見つけて夜の畑のようすも観察していきたいです。    (5月25日)FIELD.NOTE18

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