FN73号
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ろがってくる。確かにこれだとスパイスを足さなくとも十分だ。佐藤さんはハーブ一年生と言いながらもハーブに関して豊富な知識を持っていて、わたしは教えてもらうことばかりだ。「毎日庭を見るのが楽しみ」と、ハーブを見る優しい表情が印象的だった。ハーブは強い植物だから、きっと大丈夫、という佐藤さんの言葉にとても励まされ、成長を心配していた心が軽くなった。はじめてのことで不安ばかりのなか、経験者のアドバイスはとても心強い。 帰りぎわ、佐藤さんに苗を分けていただいた。シナモンバジル、スイートバジル、ブッシュバジルの三種類のバジルに、ネギのような細長いチャイブというハーブ。バジルソースの作り方や種の採り方も教えていただき、お茶に使う楽しみから新たに料理に使うこと、育てることの楽しさも見出すことができた。いただいた苗は、また編集室前のビオトープでプランターに植えて育てている。あせらず、楽しんで大切に育てていこう。 ハーブは薬草といわれるように、それぞれに違った効果を持っている。どこにでもある、場合によっては雑草にもなりうる植物なのる。まだ小さな苗でも、葉を触ってみると意外と強い香りがした。秋に自宅のベランダで種をまき、育った苗をお店の庭に植えつけたそうだ。ハーブを使うことで、お店に出す料理にスパイスを使わなくなるかもしれないとおっしゃっていた。それぞれのハーブの風味で十分味が出てくるからだ。ルッコラというハーブはピザなどにのせられるものだが、サラダでも食べられる。佐藤さんの庭で育てられていたルッコラの葉をそのまま味見させていただいた。噛んでいるうちに強い辛味がひに、疲れが取れたり、よく眠れたり、さまざまな効果がある不思議な植物だ。利用することで何らかの効果を得られる植物だが、ハーブガーデンとしてプランターや花壇で庭先に寄せ植えされているのを見るだけでも、なんだか穏やかな気持ちにさせてくれる。それが自分で育てているものであればなおさらだ。 ハーブを育てはじめて、わたしの毎日も変化しはじめた。ハーブを眺めている時間はいつもよりゆっくり流れている。その時間を過ごすだけで、今日も頑張ろう、明日も大丈夫、と明るい気持ちになれる。わたしにとってハーブは健康に良いだけじゃなく心まで元気にしてくれる。そのうちみんなでお茶会ができたらいいな、なんて想像してわくわくしながら、今日もわたしはハーブの庭を眺めている。編集室前ハーブガーデン (6月3日)上:カフェ「アルバム」でハーブガーデンを見せていただく。一番手前が佐藤さん。何種類ものハーブが植えられている下:佐藤さんが淹れてくれたミントのお茶。きれいな緑色で、すーっとした、爽やかな香りでリラックス39
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