FN74号
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FIELD.NOTE28都留の早朝は私にとって未知の世界。どんなに朝早く起きても、外に出ることはなかった。でも、都留の朝はどんなふうに始まっていくのだろう。そんな思いから、出会いや発見を期待して、午前3時〜7時まで、夜明け前の散策を重ねてみた。        平井のぞ実(英文学科4年)=文・写真・イラストおはよう都留3:004:005:00山や林から虫の声が 聞こえ始めるニワトリが朝を告げるアブラゼミやヒグラシが鳴き始める明かりに導かれて 7月7日、午前3時の都留は真っ暗。お店も人も眠っている、都留市中央にある静かな三町商店街を通り、照明の灯っている一軒の建物が目に入る。大豆製品を扱う「相あいかわ川商店」だ。作業していらっしゃったのは相あいかわ川政まさひろ寛さん(56)と奥さんのかねこさん(55)。早朝はお忙しい時間帯だったので、日を改めておうかがいした。お話によると、相川商店は大正12年の創業で、豆腐や油揚げなどを大豆から製造し、地元の小学校や病院の給食として提供しているそう。 給食センターなど、取引先の業務時間との兼ね合いのため、世間よりひと足もふた足もはやく動き出す商店。この出会いから、見慣れている場所の早朝の顔を初めて知ることができた。さらに、帰りぎわには豆腐などをくださって、「早起きは三文の徳」の喜びをたっぷり噛みしめられる、朝一番の出会いとなった。03:30相川商店  07/07牛乳屋さん 都留市上谷にある牛乳屋さん。杉すぎもとまさゆき本正行さん(55)と、奥さんの公きみこ子さん(53)で経営なさっている。この日は今から都留市内の一般の家庭へと配達にお出かけのところだった。 時間帯、曜日によって配達先が異なり、道志村の商店へ届けることもあるそう。04:50都留牛乳 08/01朝露 瑞々しい草花の朝。写真は「スギナ」。水滴の一つひとつが朝日を浴びてきらりと光り、美しい。05:00上谷の運動公園の近く 07/30FIELD.NOTE

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