FN75号
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FIELD.NOTE14都留に来てから初めて訪れた菅野川。10月に入ってから、空気が急に冷え込んだようだ。水と冷たさを防ぐための胴長を着用していなければ、川のなかを動き回るのは難しいだろう。勢いよく流れる本流の脇に、傍流がある。その水面をついついと移動する生きものがいた。ミズカマキリだ。なかなか見られない生きものらしいが、その日はパッと見ただけで5、6匹は確認できた。ところが2週間後、あらためて菅野川を訪れたさいには、ミズカマキリの姿はどこにも見られなかった。生きものとの出会いは約束されたものではない。まさに一期一会なのだ。 鹿留川では網を使って生きものを捕えることを試みる。草が生えて影になっているところを狙って、川の底を網でさらう。泥のなかから、アブラハヤやほこりを身にまとったヤゴが見つかった。まるで宝探しだ。 柄杓流川では、水流にたゆたうバイカモを見つけた。広い川のなかでぽつりと生えている姿は一見、頼りなさげだ。それでも、川底にしっかりと食らいついているのを見ると、応援したいような、ずっと見守っていたいような気持ちになる。都留に来て4年目の秋を迎えた。もう都留のあちこちに足を運んだようなつもりでいたが、まだ自分が足を踏み入れていない場所があることに気づく。それは川だ。市内にはいくつもの川があるにも関わらず、川から遠ざかった生活をしていたように思う。生きものとの新しい出会いを求めて、秋の川に出かけてみた。大澤かおり(社会学科4年)=文・写真砂田真宏(初等教育学科4年)=写真秋の川探訪記水中を移動するミズカマキリ菅すげのがわ野川10月10日写真の傍流は、きわめて流れが緩やかなため、小さな池と呼んでも差し支えがないほど。青々とした水の色が印象深い。胸まで達するほどの深さがあったため、奥まで入っていくことはできなかったが、浅いところにはアブラハヤなどの魚がいたり、動物の糞があったりと生きものの痕跡が見られたここでは動物の姿は見つけられなかった。ほかの川に比べると、大きくてごつごつした岩が目立ち、岩と岩のあいだを跳ぶように移動するのが楽しい大おおはたがわ幡川10月22日FIELD.NOTE

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