FN75号
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FIELD.NOTE34紙ができるまで出かけた先などで、ひと目見て「おっ」と気に入ったハガキを、飾ったり、誰かへの手紙にしたりできたらいいなと思うようになった。しかし、そんなハガキとの出会いがなかなかない。今すぐ思い入れのあるハガキを手にしたい、という願望から、自分で漉いた紙でハガキを作ってみたくなった。図書館で見つけた本を頼りにしながら、手探りでやってみた。 平井のぞ実(英文学科4年)=文・写真できあがったもの。紙らしさがあまりない麻ひもで まず、麻ひもで作ろうと思った。およそ1900年前、後漢(現在の中国)の人々が、紙を作るさいに麻を用いたと知ったことから、大昔の人々と同じ体験ができることに大きなロマンを感じ、じっさいにやってみることにした。なんとか本の手順に従って作業していたのだが、3時間ほど煮込む工程で、強烈な匂いに意表をつかれた。呼吸器官にツンとくるような匂いに包まれつつ、乾燥のみを残す段階に辿りついた。翌日は朝から快晴。さんさんと光と熱を注ぐ太陽は心強く、とてもありがたかった。 日光の恩恵を受けて、しっかりと乾いていた完成品は分厚く、非常に目が粗い。紙ではなく布のようだ。書いたり、折り目をつけたりしづらく、紙としての完成度は低いが、乾かす前はバラバラだった繊維が乾燥してしっかり絡み合ったまま固定され、面を成していることが驚きであった。紙かみ漉すき ~「一枚」を 繊維から~②をカナヅチでたたく。たたけばたたくほど、繊維がほぐれてくるのがよく分かって、やりがいを感じられた③③を水に混ぜて、網に流し込んで形を整えてから、日当りの良い場所で乾かす。晴れていないとできない工程なので、天気予報の確認が必須④①に、重曹を加えて鍋で煮込む(重曹は繊維を柔らかくする働きがある、と参考図書に記述があったので使用した)。3~4時間かけて、繊維を柔らかくする②原料を約3㎝に刻む。ハガキ一枚には、両手いっぱいくらいが目安。荷造りに用いる麻ひもを、紙の原料として扱っていることが不思議だ①FIELD.NOTE
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