FN75号
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40FIELD.NOTE̶暮らしのなかの詩̶だからまあ、(詩画展が始まる以前から)とにかく詩をね、詩誌の『樹』で配ってるでしょ、みなさん。だけどそれぞれが交流がなくって、自分で読んでるわけよね。それで時々会ったりすると「あの詩はよかった」とかね、「こうだった」っていうのね、そういう感想が入ってくるのね。もう相当前だけど、朗読会を20回もしてる。YLO(都留市文化会館)の4階のステージで、照明全部使って、赤いのやいろいろ、そしてバックにもスライドで、いろいろなもの映すのね。私たちも朗読するけれど、読んでくださる人にも、自分が今まで読んでね、良かった詩をね、朗読してもらうの。で、朗読20回もしている間に、ちょっとやっぱり長くするとマンネリ化するから、「じゃあ詩画展をやってみよう」って言って、始めようとしたけど大変だったの。 始めみんながねすごい、会員が怒ってね、「詩だけ書くなんて、私たちもう大変なのにね、絵も描いたり字も書いたりなんちゅうことはね、できないよ」って言ったの。「もっとね、字が上手になったり絵が上手になったらね、やれるかもしれない」って言ったの。だから私がね、「字が上手になって絵が上手になるまでって言ってるとね、死んじゃうよ」って言ったの。そうじゃなくて、人間ってね、今できることを精一杯やればいいじゃないのって。それがもし違ってたらば、自分でね、変えて進歩していくのね、一歩ずつ進んでいく、それでいいじゃないのって。 でもあんまりみんな納得しないよね。絵なんていうのは、絵を描く人ならともかく、そうでない人はふだん絵なんて描かないもんねえ。だから、じゃあ絵じゃなくても写真でもいいし、詩に対して何かを工夫してったらって。そしたら押し花だっていいしね、折り紙で折ったものでもいいしね、って言って仕上げたら、すごいバラエティに富んでたのよ。作品を作ることの難しさ だから、一つの作品を生み出すっていうことはね大変なことね。体育で言えば助走の段階が長い。何にもしないようだけども、ずっと考えたり、ふらふらふらふらしてて、それでやっとジャンプするのね。同じなのよね。だから人間の誕生もそうだよね。お母さんが10カ月さ、やっぱりその間はいろいろの悩みもあるし苦労もあるし。そして生まれたじゃないのよ、生むのよ。自分で生み出すの。他力本願じゃなくてね。だから、なんか一つするとね、それがねみんな共通なのよね。スポー10月19日から21日、詩友会による第24回詩画展が開かれました。遠藤静江さん(80)は、自らが詩を書きながら、詩友会の会長などの詩を広げる活動を精力的におこなっています。今回は詩画展が始まったきっかけ、詩という表現の根源など、遠藤さんが詩に込める思いを紹介します。写真:都留市ふるさと会館でおこなわれた第24回詩画展のようす

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