FN76号
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おわりに取材や今までの経験の振り返りを重ねることで、私たちのなかで「継ぐ」ことの認識が変わっていきました。「継ぐ」ことは、あまり労力を使わずにできると思っていました。けれど、本当はそうではありませんでした。 「継ぐ」には、人によってさまざまな想いや経緯があったのです。信仰に対する責任、幼い頃から生活のなかにあった職人の姿、残していきたい文化、その過程で生まれる世代を越えた地域の繋がり、同じ場所で違う人が何を見ていくのかという期待。じっさいは、託す人、託される人、ともに働きかけなければ成りたたないものでした。そう考えると、「継ぐ」ということはとてもかけがえのないものだと気がつきます。自分が何かを残したいと思うこと同じものに価値を見出す相手がいることお互いの想いが交わったときに初めて「継ぐ」ことができます。だからこそ、私たちにとっての「継ぐ」は、かたちとしてではなく自分と相手の想いを伝え合って続いていくものであってほしいと思うのです。

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