FN76号
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19これまでに登場した生きものたちカジカガエルいるなんて、なんだか心許ないなと感じる。 数日後、また同じような大きさのナミテントウが1匹で越冬しているのを発見。よく見ると胸の部分が真っ黒だ。これは違うテントウムシなのではないかと思い、はっとする(ナミテントウは胸の部分のふちが白い)。図鑑で調べると、やはりナミテントウではなく「ヒメアカホシテントウ」のようだ。 今までは、群れることが特別なことのように思っていた。でも、逆に1匹で越冬している姿を目にすると、群れないことにも何か理由があるのだろうなと思う。ひょっとすると、小さくてもナミテントウより寒さや乾燥に強いのかもしれない。見た目以上にたくましい力が備わっているのではと想像するだけでも、目の前の小さな命に感動せずにはいられない。    *    *    * 厳しい自然のなかで生き抜くための工夫は、想像以上に複雑で精巧なものだ。わきあがった疑問に向き合ってみても、簡単に分かることは少ない。それでも自分の力で疑問を明らかにしようとすることは楽しい。これからもテントウムシを追い続けていきたい。アカネズミテントウムシ、いろいろテントウムシにもいろいろいる。日本に生息するテントウムシの中でも大型のカメノコテントウ。体長13mm(上段左)/集団で越冬するナミテントウ(上段中央)/5月に中屋敷の畑で見つけたニジュウヤホシテントウ(下段左)/よく見かけるナナホシテントウ。この冬は見つけられなかった(下段中央)/今までナミテントウだと思い込んでいたヒメアカホシテントウ。体長は4mmと小さい(下段右)    ※写真右上のシルエットはじっさいのサイズ資料提供:志戸岡直希・砂田真宏(初等教育学科4年)カメノコテントウ2013.3.2ナナホシテントウ2010.5.22ニジュウヤホシテントウ2012.5.23ヒメアカホシテントウ2013.2.9ナミテントウ2013.2.7ヒメアカホシテントウはドーム型の甲殻の縁がカールしていてカメみたいだ。真っ黒な体は兜のようで頑丈そうに見える。顕微鏡で  見た写真

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