FN76号
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FIELD.NOTE22通学路を歩く 春の暖かさを感じる2月4日、いよいよ出発の日。午前10時30分、編集部の仲間と富士吉田市にあるわたしの自宅を出発した。少し雲が多いが、穏やかに晴れていて、絶好の散歩日和。これから15㎞もの道のりを歩ききることができるかどうか、少し不安な気持ちでいたが、ふだんとは違う通学にとてもわくわくしていた。 富士山を背に富士見バイパスを下り、国道をひたすらまっすぐに歩いていく。みんなと歩いていると、4年間通った道がどこか別の道に見えた。西桂町に入る直前の下り坂では車内からだとすぐ近くに住宅が迫っており、圧迫されているような感じがある。しかし、歩くと道の左右の奥行が感じられ、思いのほか遠くまでまちが続いていることに気づく。 西桂町に入り少し進むと、国道からわかれた細い道のさきに諏訪八幡神社がある。国道から見ると古びた家屋のようだが、正面にまわってみると立派な神社で、眼下には西桂のまちがひろがっていた。 正門のほうに降りて少し歩いてみると、レトロなレンガ造りの建物が現れた。興味を引かれ、隣接しているお店のかたにお話を伺っ13:35歩きはじめて3時間。富士吉田市を抜けて西桂町へ内宮外宮生まれも育ちも山梨県富士吉田市のわたしは、自宅から車で30分かけて大学まで通学していた。しかし、いつも時間に追われ、景色をゆっくり見ている余裕なんてなかった。卒業してしまう前に一度自分の足で歩いてみようと、大学生活締めくくりの旅に出ることにした。小佐野めぐみ(国文学科4年)=文・写真﨑田史浩(社会学科4年)=写真10:30富士吉田市の自宅前出発国道139号線入り口、左右にわかれて鎮座する大おおじんじゃ神社。なぜわかれているのかずっと不思議に思っていた。元々は小高い丘に立つ一つの神社であったようだ。それが国道を造るときに内宮と外宮に分断され、祀られるようになった大神社13:0012:00てんせいや昼食タイム。吉田のうどんを食べる。1時間半歩いて食べるうどんはいつにも増して美味しかったFIELD.NOTE

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