FN77号

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23私たちが向き合った地図は作られた時代・目的によって種類や性格は異なるけれど、どれも一定の約束にしたがって、端的に土地のようすを表していた。向き合いかたによっては視野が及ばない遠くの景色を想像させ、ときには自然の生きものや昔の人びとの暮らし、変化していく土地のようすを明らかにする。比較となる過去へ私たちを導きながら、地域の今をいっそう際立たせて見せてくれた。地図を主役に据え、そこから何かを汲み取ろうとする作業。それは、洗練された言葉の向こうに深く意味を読み取ろうとすることと通じ合うものがある。地図を広げ、考える。顔を上げ、周囲を見渡し、ふたたび地図に目を落とす。きっと地図は、私たちがまだ見出していない地域の姿をその一枚に秘めている。を折りたたんで地図