FN77号
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no. 77 Jun. 20138まだ都留の山を登ったことがない、都留のまちを高いところから見てみたい。そんなことを理由に、山に焦点をあてた。今回は、初心者も登りやすいという、大月市と都留市にまたがる標高975mの高川山を目指す。JR中央線 初狩駅から登りはじめ、富士急行線 禾生駅に向かって下山するルートだ。2万5千分の1地形図(国土地理院、平成7年6月1日発行)を携えて編集部の5人で登る。 4月13日、午前9時32分、出発地点の初狩駅に到着。からっと晴れたこの日は、それほど暑くもなく、絶好の登山日和だ。天気が良いと高川山からは富士山を望めるらしいので、期待が高まる。地形図で高川山の位置を確認し、さらに自分の目でどれが高川山なのかを把握する。いざ、山頂を目指して出発だ。 初めて歩く道なので、迷わないように地形図上に記されている建物や田畑などを探しながら進む。じっさいに探していたものを見つけると、地形図通りに進めているという確信がもてる。 ふだん道を歩いていてもまわりにはどんな景色が広がっていて、なにがあるのかを細かく意識することはなかった。でも、地形図を持って歩くことで、じっくりとまわりのものを見るようになり、民家ひとつをとってもどういうふうに並んでいるのかまで見るようになった。地形図を頼りに歩く 10時5分、コンクリートの道が、砂利道へと変わった。地形図には高川山の中腹まで林道が記されている。現在地から推測すると今は林道を歩いているようだ。どのように進んでいるのかも意識して歩いてみると、地形図に記されている林道をなぞるようにして自分の足もその通りに動いていた。 自分たちがいる位置よりもさらにを地図形持てっへ山地形図をどう利用すればいいのか、じっさいに読みとりながら歩けるのか……。そんな編集部でのやりとりをきっかけに、地形図を持って歩いてみたくなった。 前澤志依(国文学科4年)=文・写真『フィールド・ノート』編集部=写真

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